東京海上日動とPKSHAが開発したAIによる保険照会業務の効率化

東京海上日動とPKSHA Technologyによる「AI Search Pro」の導入

東京海上日動火災保険株式会社と株式会社PKSHA Technologyが共同で開発した照会応答システム「AI Search Pro」が、今般、東京海上日動に正式に導入されます。このシステムは、高度な大規模言語モデルを活用し、複雑な保険業務に特化した対話AIとしての機能を備えています。業務効率化を実現し、顧客により多くの価値を提供することを目的としています。

システム導入の背景

保険業界は、専門用語が多数存在するため、従来の対話AIを活用する際には多くの課題がありました。その解決を目指して、2023年2月から東京海上日動、PKSHA、AlgoNautの3社による共同開発が始まりました。このプロジェクトでは、東京海上日動独自の業務に即した大規模言語モデルの設計とプロトタイプ開発が進められ、2023年6月から試験運用が行われました。

試験運用では、自動車保険に関する照会が対象にされ、開発されたプロトタイプの精度が確認されました。さらに、火災保険や傷害保険などを含む約100万件の照会応答履歴データが投入され、より多くの保険商品での活用可能性が検証されました。

「AI Search Pro」の機能

「AI Search Pro」は、照会履歴や関連データを基にした検索AIと生成AIを組み合わせ、効果的な応答を支援するシステムです。これにより、部署内での高度なデジタルスキルが不要になり、誰でも簡単に使用できる環境が整いました。システムの使い方は直感的で、代理店からの照会に対し、過去の類似照会の回答例を自動的に抽出し、最適な回答を生成します。

このプロセスにより、社員は回答の精度を確認し、必要に応じて修正・加筆が可能です。システムを通じて、代理店への迅速かつ正確な情報提供が実現されることが期待されています。

今後の展望

「AI Search Pro」の導入を通じて得られた知見を基に、今後はコンタクトセンターにおける照会応答業務へも活用の可能性を探る予定です。また、グループ会社への展開を視野に入れ、AI技術による業務の効率化と高度化を進めることで、さらなるシナジーを生み出すことが目指されています。

会社情報

東京海上日動火災保険株式会社
本社所在地：東京都千代田区大手町二丁目6番4号
URL：東京海上日動
取締役社長：城田宏明

株式会社PKSHA Technology
本社所在地：東京都文京区本郷2-35-10　本郷瀬川ビル4F
URL：PKSHA Technology
代表取締役：上野山勝也

これにより、保険業務の新たな道筋が開かれることが期待されています。