ローカル5Gを駆使した新丸山ダムの自律型建設技術が実現

ローカル5Gが切り拓く新丸山ダム建設革新

岐阜県の八百津町と御嵩町に跨る新丸山ダムの建設工事は、現代の技術を駆使した革新的な取り組みが進行中です。大林組が手掛けるこのプロジェクトでは、ローカル5Gを利用した自律型コンクリート打設システムの開発が進められており、2025年2月にケーブルクレーンの自動・自律運転が成功を収めました。

自動・自律運転の実現

この新しいシステムは、コンクリート運搬に使用されるケーブルクレーンの運転を自動化することを目的としており、特にクレーン操作時の揺動をリアルタイムで抑制する機能が組み込まれています。これにより、従来オペレータの熟練技術に依存していた作業が、自動化されることで工事の品質と安全性が格段に向上します。

ローカル5Gの利点

ローカル5Gは、特定の地域内で独自に構築された通信ネットワークで、高速かつ大容量の通信が可能です。これにより、複数台の建設機械を同時にコントロールすることができ、高速通信による安定したデータ伝送が実現されます。この特徴は、天候の影響を受けにくい点でもあり、困難な条件下でもプロジェクトがスムーズに進行することが期待されています。

新丸山ダムの現状と未来

2023年12月には、自動・自律運転による盛土施工の実証実験が行われ、これまでの進捗をもとに、さらなる技術の発展を目指します。加えて、大林組はローカル5Gを用いた建設現場の通信エリアを今後拡大していく計画を立てています。これは、現在の建設業界の抱える技術者不足問題を乗り越えるための重要な一手とも言えるでしょう。

今後、ローカル5Gを活用した「自律型コンクリート打設システム」は、様々な工事プロセスにおいてAIを用いた効率化が図られる予定です。高解像度の映像伝送が可能となるため、リアルタイムでの進行状況把握や安全監視など、工事全体の安全性向上に寄与すると期待されています。

まとめ

大林組とKDDIエンジニアリング株式会社は、新丸山ダム建設工事を通じて、建設業界におけるデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進しています。この革新技術により、業界全体の生産性向上と安全性の確保が実現されることが期待されており、他のプロジェクトへの波及効果も大いに期待されています。今後も彼らの取り組みが注目されることでしょう。