日本の観光業界におけるデータ分析の重要性がますます高まる中、株式会社ナビタイムジャパンは、訪日外国人観光客向けの動態分析サービス『インバウンドプロファイラー』に新機能「都道府県サマリー」を追加することを発表しました。2025年3月27日からの提供開始となるこの機能は、都道府県ごとの訪日外国人の動向を確認できるもので、観光施策の立案に役立つ情報を一目で把握できるダッシュボード形式で提供されます。
『インバウンドプロファイラー』は、訪日外国人観光客が利用するナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』を通じて得られるGPSデータや属性アンケートをもとに、観光客の行動分析を簡単に行えるWebサービスです。これまでは、市区町村単位でのデータ分析が中心でしたが、観光担当者や観光振興に携わる事業者からの「都道府県単位でのデータが必要」という声に応え、今回のアップデートが行われることとなりました。
新たに加わる「都道府県サマリー」機能では、以下の2つの詳細な分析項目が用意されています。
1.
市区町村別滞在ランキング
訪問者数が多い市区町村をランキング形式で表示します。これにより、特に滞在者が多い市区町村を視覚的に把握することができます。例えば、季節ごとのランキング変動を分析することで、観光施策の効果を測定したり、今後の施策を計画したりする際の貴重なデータとなります。
2.
入出国空港の可視化
訪日外国人観光客が利用した入国および出国空港のデータを可視化します。どの空港を経由して多くの観光客が訪れているのかを知ることは、観光地への交通手段整備や新たな施策を考えるうえで非常に重要です。特に、国別の主要利用空港についての情報が得られるため、マーケティング戦略を練る上でも役立ちます。
さらに、都道府県単位での分析は、広域的な観光政策や施策の中で県全体の動向を把握するために欠かせないツールとなります。また、特定の国籍についての詳細な分析が可能となることで、多様なニーズにも応えることができると期待されています。
実際に「都道府県サマリー」を活用した分析例として、青森県の訪日外国人の滞在状況が挙げられます。2024年4月のデータによれば、青森県全体での滞在者数は増加傾向にあり、特に主要な観光シーズンである春と秋にその傾向が顕著に表れています。また、市区町村別で見ると、青森市、弘前市、八戸市が多くの観光客を惹きつけており、弘前市は季節ごとに観光客の数が増加していることが傾向として見受けられます。
このように、『インバウンドプロファイラー』の「都道府県サマリー」機能は、訪日外国人の動向を多角的に分析できるツールとして非常に価値のあるものになるでしょう。自治体や観光関連事業者は、この新機能を通じて得られる情報を活用し、より効果的な観光戦略を練っていくことが求められます。なお、「都道府県サマリー」は、既存の『インバウンドプロファイラー』ユーザーに対して追加料金なしで提供されるため、多くの利用者にとって手軽に活用できるものとなります。今後もナビタイムジャパンは、サービスの充実を図り、日本の観光業に貢献していくことでしょう。