モデルナ・ジャパン株式会社が実施した意識調査の結果、70%の人々が新型コロナウイルス感染症に脅威を感じているにもかかわらず、ワクチン接種に対する意向が低いことが明らかになりました。この調査は2023年8月5日から7日にかけて全国の1242名を対象に行われ、新型コロナワクチンの接種意向はわずか21%に留まる一方、インフルエンザワクチンについては41%と高い接種意向が示されています。
調査対象者の中で、新型コロナワクチンに対する接種意向が高かったのは、70代や基礎疾患を抱える人々で、特に70代では37%が接種を希望していました。一方で、男性の方が女性よりも接種意向が高いという結果も見られました。どうしてこれほどの差が生まれているのか、その背景には「副反応が心配」「ワクチンの安全性に不安」「接種費用が高いため」といった理由が挙げられます。
この調査から分かるのは、新型コロナウイルスに対する恐怖は強いものの、ワクチン接種への抵抗感が根強いということです。感染症についての認識はあるものの、自己の健康や経済的要因からワクチン接種の意向を示さない人が多いと考えられます。調査結果では、副反応や安全性が気になるという意見が多く、特に定期接種対象者の中では「安全性が心配」が46%と最も高く「接種費用が高い」が43%という結果も出ています。
このような状況について、モデルナ・ジャパンのカントリーメディカルディレクター、石井男医師は、「新型コロナワクチンの安全性についての理解が十分でないことが接種意向の低さにつながっている」と分析しました。モデルナ側は医療関係者だけでなく、一般の人々にも情報提供の重要性を強調し、正確な情報の普及に努めています。
今後、新型コロナウイルスのワクチン接種は2024年から無料接種から有料の任意接種に移行します。特に60歳以上の基礎疾患持ちや65歳以上の方を対象に自治体による定期接種が行われ、この際の負担額は各自治体によって異なるものの、東京都では自己負担額をインフルエンザワクチンと同程度の2500円以下に設定する方針です。感染症への警戒が必要とされる中、医師と相談し、ワクチン接種の検討と基本的な感染対策を併せて考えることが重要です。
加えて、モデルナはオミクロン株(JN.1)に対応する新ワクチンの承認も得ており、合わせて接種の機会を提供する体制を整えています。今後は定期的な情報更新と啓発活動で、ワクチンに対する不安を少しでも和らげ、接種意向を強化していくことが求められます。