災害時の生存者捜索に向けたドローン技術の進化
株式会社Liberaware(以下、Liberaware)は、災害時における生存者捜索の効率を高めるため、ドローン技術の研究に取り組んでいます。特に倒壊家屋内での生存者確認という重要な課題に対し、NEDOのSBIR推進プログラムを通じて実証実験を行いました。この取り組みは、災害現場での行方不明者捜索の難しさを解決するための技術革新として注目されています。
実証実験背景
災害発生時の行方不明者捜索は非常に難易度が高く、特に倒壊家屋内で生き埋めになった生存者の捜索は急務です。従来の方法では、がれきの中を実際に探すことがリスクを伴い、作業者の安全も脅かされていました。Liberawareは、この状況を改善するために、自社開発の狭小空間点検ドローン「IBIS2」を活用し、これまでの経験を基に技術を改良しました。
IBIS2の機能強化
開発したIBIS2は、無線通信技術の向上を図り、生存者の探索をより迅速かつ安全に行えるように設計されています。主な機能は以下の通りです。
1.
自動接続機能: 複数の無線送信機から最も強い信号を受信し、自動的に接続する機能を搭載しました。これにより、無線通信の範囲が大幅に拡大され、調査の効率が向上しました。
2.
サーモカメラの搭載: IBIS2にはリアルタイムで温度を検知し、映像を伝送する小型サーモカメラが装備されています。視界が悪い倒壊家屋内においても、生存者の体温を可視化することで、見落としを防ぎ、捜索の成功率を高めることが期待されています。
開発品の詳細
これらの技術改良により、IBIS2はより多くの情報を収集し、迅速な対応が可能になりました。具体的な開発品は以下の通りです。
- - マルチ延長アンテナ: これまでは一台のIBIS2が特定の無線装置にしか接続できませんでしたが、複数の装置への接続が可能になったことで、無線信号の到達距離を大幅に改善しました。
- - IBIS2専用サーモカメラ: ドローンの上部に取り付けられたカメラは、倒壊家屋内の温度をリアルタイムで捉えます。これにより、視認性が低い場所でも効率的に生存者を特定することが可能になります。
実証実験の取り組み
Liberawareは、千葉県内の警察施設において上記の技術を用いた実証実験を行いました。これにより、IBIS2が実際の災害現場でどのように活用できるかを検証し、さらなる発展へとつなげる予定です。
「誰もが安全な社会を作る」という理念のもと、Liberawareは災害対応における各機関との協力を強化し、今後も製品の改善に努めていきます。これにより、生命を救うための技術革新を推進し、安心・安全な社会の実現に寄与していく所存です。私たちは「見えないリスクを可視化する」というビジョンを持ち続け、人々の安全を守るために最善を尽くします。
会社情報
- - 会社名: 株式会社Liberaware
- - 代表者: 閔 弘圭
- - 所在地: 千葉県千葉市中央区中央3-3-1
- - 設立: 2016年8月22日
- - 事業内容: ドローンによる点検・調査サービス、データ解析、ソリューション開発など
- - URL: Liberaware
以上がLiberawareの取り組みとドローン技術の進化についての紹介でした。これからも災害時における生存者捜索に関する利便性向上に向けて、さらなる技術革新が期待されます。