リクルート株式会社が実施した「企業情報の開示と組織の在り方に関する調査 2024」の第一弾が発表されました。この調査では、企業情報の開示が求職者に与える影響を詳細に分析しています。特に注目すべきは、人的資本情報の開示が求職者の選考参加意欲に与える影響についてです。
構造的な人材不足が深刻化する中、企業は求職者に選ばれるためにどのような情報を開示すべきかが焦点となりました。具体的には、給与、働く環境、多様性、スキル、経験、育成、そしてハラスメントといった多岐にわたる要素が求職者の企業選びに影響を与えています。
調査から見えた3つのポイント
1.
選考参加優先度の向上
調査の結果、全体の44.5%の求職者が人的資本の情報開示によって選考参加意欲が高まると回答しました。特に、従業員エンゲージメントの情報は48.0%、育成方針は45.3%、給与に関する具体的な情報は69.3%の求職者が選考参加の優先度を上げると回答しており、人的資本情報開示の効果が見て取れます。
2.
未成熟な情報開示の現状
一方で、企業からの人的資本情報開示が十分ではないことが浮き彫りになりました。求職者が企業の人的資本について把握している割合は約2~3割であり、同様に企業の情報開示も約3割にとどまります。これは、POINT①で示した情報開示の効果に対して、実際の情報提供が遅れている状態です。
3.
採用成功に向けたポジティブな影響
従業員のエンゲージメントや育成方針に関する情報を積極的に開示している企業は、採用活動において成功しやすい傾向があります。また、こうした企業は環境変化に対して柔軟に人事制度を見直すことができるため、採用能力が向上しています。
企業が選ばれるために必要な姿勢
求職者の選考参加優先度を高めるためには、企業は人的資本情報を明確に開示し、具体的な説明を行うことが求められます。また、この情報開示は社内外の労働環境の変化に敏感であることも重要です。人事制度や雇用慣行を柔軟に適応させることで、より良い働き場所を提供することが、求職者にも選ばれ続ける企業の条件となるでしょう。
調査の概要
- - 調査対象: 就職活動中の学生や若手求職者を含む働く個人、および人事担当者
- - 調査方法: インターネット調査
- - 有効回答数: 1,033(個人) / 1,038(人事担当者)
- - 調査実施期間: 2024年3月23日~3月25日
- - 調査機関: 株式会社マクロミル
詳細な結果はリクルートの公式サイトで確認できるので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。