冷凍物流の新たな拠点開発
大和ハウス工業株式会社は、2024年の夏に向けて大阪湾岸部に新しいマルチテナント型冷凍冷蔵物流施設を2棟新設することを発表しました。「DPL大阪舞洲」と「DPL大阪南港Ⅰ」というこの新しい施設は、冷凍食品のニーズの高まりに直接応える形で建設が進められています。
各施設は、全館に冷凍冷蔵設備が整っているため、様々な温度帯に対応可能で、保管された商品の品質が確保されます。現在、冷凍食品の需要は増加しており、一般社団法人日本冷凍食品協会によると、2023年の出荷額は前年比で約2%増の7,799億円という過去最高を記録しました。この背景には、コロナ禍による中食の浸透があり、冷凍食品の消費も年々伸びている状況です。
施設概要と特徴
DPL大阪南港Ⅰ
- - 着工時期: 2024年7月15日
- - 所在地: 大阪市住之江区
- - 冷凍冷蔵設備: 全館冷凍冷蔵設備を装備
DPL大阪舞洲
- - 竣工時期: 2024年7月31日
- - 所在地: 大阪市此花区
- - 対応温度帯: 常温・冷蔵・冷凍
- - 施設規模: 8階建て、延床面積115,989㎡、最大27社が入居可能
両施設は、コールドチェーンに特化した設備が導入されており、温度管理が徹底されています。これにより、冷凍食品から乳製品、野菜まで幅広く対応することが可能です。具体的には、「DPL大阪舞洲」では1〜4階で氷点下から5℃までの温度管理が行えるほか、5〜7階では常温倉庫としても使用可能で、3温度帯にフレキシブルに対応しています。
交通の便が良い立地
両施設は、交通アクセスにおいても優れています。「DPL大阪舞洲」は阪神高速湾岸線の「湾岸舞洲インターチェンジ」から約1.5km、JR大阪環状線「西九条駅」にも近く、従業員の通勤にも便利です。一方、「DPL大阪南港Ⅰ」は阪神高速湾岸線「南港中インターチェンジ」から近く、Osaka Metro南港ポートタウン線「南港口駅」からも徒歩圏内です。これにより、陸路だけではなく、海路や空路からの物流拠点としても機能します。
多様なニーズに応えるマルチテナント方式
「DPL大阪舞洲」と「DPL大阪南港Ⅰ」は、複数の企業が入居できるように設計されており、特に小規模な企業が初期投資を抑えながら事業を展開できることが魅力です。この柔軟性は、急速に変化する物流市場において、事業の展開スピードを速める要因となります。このような取り組みは、現在の冷凍倉庫不足の懸念に対する一つの解決策とも言えるでしょう。
最終的に、大和ハウス工業は、物流施設だけでなく、企業の成長を支えるためのインフラを提供することを目指しています。これからの冷凍物流業界における参入障壁を低くし、ますます多様化する顧客ニーズに応えるための取り組みとして、このプロジェクトは注目されます。