流産・死産の支援を強化する新たな窓口
近年の流産・死産事情
近年、日本において流産や死産は決して珍しい出来事ではなくなってきています。2023年度には126,734件の人工妊娠中絶、2024年には15,323件の死産が報告されており、妊娠を経験する多くの家庭が、このような経験を抱えています。特に、妊娠の15%が自然流産するというデータが示すように、特に高齢出産の場合(40歳以上)には流産の確率が高まることも知られています。
このような実情の中、流産や死産を経験された方々の心のケアやサポートが求められています。日本国内には、そのような支援を行う窓口が限られており、必要としている方々が話を聴いてもらえる場所は非常に少ないのが現状です。そんな中、群馬県に拠点を置く一般社団法人BECAMEが新たに抜本的な取り組みを開始しました。
新しいLINE相談窓口の開設
BECAMEは、2025年9月に、流産や死産、さらには中絶などの悲しみを抱える「天使ママ」「天使パパ」向けのLINE相談窓口を設けることを発表しました。この窓口は、24時間いつでも利用できるもので、すべてのサービスが無料です。当事者スタッフが対応し、必要な支援へとつなげます。
この取り組みは、社会福祉法人 群馬県共同募金会(赤い羽根共同募金)の支援を受けて実施されています。電話や対面相談は敷居が高いと感じる方々にとって、LINEを通じた相談は革新的と言えるでしょう。私たちが「今の気持ち」を簡単に送れる場所を提供することで、心理的な負担を軽減し、相談への敷居を低くしています。
相談窓口の特徴
新しく開設されたこの窓口の特色として、以下の点が挙げられます。
1.
即時性: 予約不要で、思いついた時にすぐに相談できる。
2.
独自性: 喪失経験のあるスタッフが対応し、共感的な支援を提供。
3.
社会的影響: 広範な対象者に向けて孤立を防ぐことを目的としている。
4.
継続性: 相談履歴をもとに、前回の続きから話せる体制が整っている。
5.
多様な相談対応: 流産だけでなく、死産や中絶など様々なケースに対応している。
この窓口ではただ相談するだけでなく、必要とされるサポートをつなげることを目的としています。たとえば、夜中に思いが溢れた時なども、LINEを通じて短い言葉やスタンプから気持ちを表現できるのです。これにより、言葉にしづらい感情も少しずつ解放していくことができるでしょう。
まとめ
流産や死産、さらには中絶の経験は、非常に個人的で辛い事情です。そのため、話を聴いてもらえる場所が必要ですが、従来の相談窓口では、それが難しいことも多いのが現実です。この新しいLINE相談窓口は、ただ会話を楽しむだけでなく、悲しみを乗り越えるための一歩となることでしょう。
群馬県の一般社団法人BECAMEは、今後も支援を続け、より多くの人が幸せに生活できるための手助けをしていきます。相談窓口の開設は、一人でも多くの方に届くことを願い、前向きな未来に向けた大きな第一歩です。ぜひ、まずはその入口に立ってみてください。