上場企業決算予想
2024-12-17 14:49:35

2025年3月期上場企業決算予想、全産業で営業利益11.6%増

2025年3月期上場企業の決算予想が示す明暗



株式会社東洋経済新報社が発表した最新の会社四季報新春号によると、2025年3月期の上場企業決算に関する予測が発表されました。本年度全産業における営業利益の予想は、なんと11.6%の増加が見込まれています。これは特に半導体関連企業が大幅に貢献しており、世界的な投資の活気が彼らの数字を押し上げています。

半導体業界の好調な業績



半導体業界は前期までの不振からの回復を果たし、特に東京エレクトロンやアドバンテストなどの企業は、昨年度に比べて大幅な営業増益を見込んでいます。この影響により、電気機器産業全体でも昨年と比べて14.3%の営業増益が予測されています。この結果、半導体関連業界は今期の業績拡大が顕著であり、生成AIなど新たなテクノロジーへの投資が引き続き後押ししていると考えられています。

自動車業界の厳しい状況



一方、自動車業界は厳しい状況に直面しています。トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ、いすゞ自動車といった主な企業が営業利益の予想を下方修正しています。輸送用機器の産業全体では、予想営業利益が前号比で9.3%減、前期比で5.8%の減益が見込まれていることから、自動車業界の停滞が懸念されています。

このように、関連する事業に与える影響は計り知れず、商社や部品メーカーなど多くのサプライヤーにも影を落としていると考えられます。

業界全体の明暗



今回発表された会社四季報によれば、営業利益が前回比で30%以上上振れした企業は180社、逆に同30%以上下振れした企業は390社にのぼりました。5%以上上振れた企業は620社、一方で5%以上下振れた企業は500社という結果となっています。これは、企業によって今後の業績見通しが大きく異なることを示しています。

業績見通しを示す見出しにおいて【続伸】や【上振れ】といった言及が上位に見られる一方、【下振れ】や【一転減益】に分類される企業も少なくない現状です。特に中国の経済不況や欧州の製造業の停滞が、日本企業の業績に直接的な影響を与えており、経済全体の不安定感を増しています。

業績が回復傾向にある業種と、逆に縮小を強いられている業種との間で、差が広がっていく見込みです。企業や市場の変化にいち早く適応し、段階的にでも利益を上げていくためには、各企業が直面する環境にどのように対処していくのかが鍵になるでしょう。

今後の四季報に掲載される予想数字がどう変動していくか、引き続き注目が必要です。


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