丹波篠山の河原町妻入商家群を歩く
丹波篠山の歴史ある町並み、特に「河原町妻入商家群」は、多くの観光客を惹きつける魅力的なスポットです。ここは、1609年に篠山城が築城された際に、河を南側に移して造成された地区であり、240年以上の歴史を持ちます。商家たちが軒を連ねるこのエリアは、かつて一大商家群として繁栄していました。
狭くて奥行きの深い「妻入」造りの商家
この商家群の特色は、何と言ってもその建築様式です。約70%が「妻入」と呼ばれる、間口が狭くて奥行きが長い構造となっています。京都の町屋に似たこのスタイルは、「うなぎの寝床」とも喩えられ、独特の風情を醸し出しています。商家の中には、賢く利用された「厨子二階」と呼ばれる部分があり、ここでは物置として使われていました。太い格子が特徴の「出格子」窓や、漆喰で塗り固められた「むしこ窓」は、防火対策としても利用されていました。
無電柱化がもたらした景観の美しさ
丹波篠山市では、2017年に国土交通省の「景観まちづくり刷新モデル地区」に選定され、無電柱化事業が始まりました。2021年には河原町通りの全ての電柱が撤去され、従来の美しい景観が復活しました。この取り組みによって、散策中に非日常的な雰囲気を味わえるだけでなく、まるでタイムスリップしたかのような感覚にも浸ることができます。
篠山の保存地区選定20周年の記念事業
今年は、河原町妻入商家群を含む篠山城下町が重要伝統的建造物保存地区に選定されてから20周年を迎えます。それを記念して、丹波篠山市民センターにおいて「篠山重要伝統的建造物群保存地区選定20周年記念事業」が開催されます。
当日は、基調講演として「篠山重要伝統的建造物群保存地区20周年記念これまでの20年これからの20年」が行われるほか、パネルディスカッションも予定されています。講師には京都橘大学の村上裕道教授が登壇。過去20年の歩みを振り返りつつ、これからの展望が語られます。この貴重な機会を通じて、地域の文化と歴史への理解を深めたいですね。
最後に
丹波篠山には、古き良き建築と新しい魅力が共存する「河原町妻入商家群」があります。次回の旅行の際には、ぜひ訪れてみてください。街の歴史を感じながら、魅力的なカフェや陶器店を巡り、特別なひとときを楽しむことでしょう。非日常的な時間があなたを待っています。