地元農家が318年続く酒蔵の杜氏を目指す
山形県小国町に位置する桜川酒造株式会社は、1686年(江戸中期)に創業し、今年で318年を迎えます。この歴史ある酒蔵は、コロナ禍や豪雨による経営危機を乗り越え、新しい体制での挑戦を進めています。地元の酒米と水を使用した酒造りを大切にしながら、今後は新たな酒米農家が杜氏を目指して技術の継承を行うため、クラウドファンディングを開始します。
クラウドファンディングについて
具体的には、2024年9月20日(金)から2024年10月31日(木)までの期間で、目標金額1,500,000円を設定しています。参加者は、みんなでこの伝統の酒造り支援に寄与できるチャンスがあり、桜川酒造のブランド「KAIRAGI 櫂楽技」や、新米とコーヒーのセットなど、魅力的なリターンも用意されています。
新たな杜氏の志
新しい杜氏は、地元の酒米農家として知られる井上昌樹氏です。井上氏は、祖父や父が長年にわたり酒米を作ってきた伝統を受け継ぎ、桜川酒造との関わりから、酒米づくりや酒造りに携わることになりました。現在は醸造所所長としても活躍しており、地元小国町への恩返しの意も込めて、新たな挑戦に取り組んでいます。
日本酒文化の担い手としての役割
日本では、過去20年で酒蔵の数が約4割減少しているというデータがあり、酒造りの技術を受け継ぐ人材の不足も問題視されています。こうした背景から、地元酒米農家が中心となって、次世代への技術の継承に努めることが必要不可欠です。桜川酒造は、酒造りの伝統を守りながらも、デジタル技術を活用して新たな挑戦を行い、未来へ伝えていく役割を果たそうとしています。
伝統と現代の融合
桜川酒造では、伝統的な手作業に加え、現代のデジタル技術も導入し、これまでのやり方を見直しています。これにより、より高品質な日本酒を提供しつつ、次世代の杜氏たちには新たな技術や知識を学んでもらうことを目指しています。こうした取り組みが、伝統と現代の融合として、業界全体の活性化につながることが期待されています。
おわりに
桜川酒造の挑戦は、ただの酒造りに留まらず、地域の文化や農業とも密接に関わっています。クラウドファンディングを通じて、支持を得られた場合には、酒蔵の物語を広く発信し、新規ファン層の獲得につなげることを計画しています。181年の歴史ある酒蔵が次世代に向けて、どのような展望を開くのか、期待が高まります。