NPO法人ぴゅあが描く重症心身障がい者の未来
長年解決が難しかった「親亡き後の問題」や「8050問題」に、NPO法人ぴゅあが新たなアプローチを展開しています。彼らは重度の医療的ケアが必要な障がい者向けに、県内初のナーシングホームの開設を目指し、医療と福祉を融合させた支援を行う計画を発表しました。
医ケア児支援法施行後も続く課題
2021年施行の医ケア児支援法によって、医療的ケアが必要な小児の生活は大きな改善を見ましたが、成人の生活保障は依然として不十分です。特に医療的ケアが必要な重度の方々の場合、適切な福祉施設へのアクセスが困難です。今、彼らは親と共に暮らし続けなければならない状況に置かれ、必要な支援を受けられないままになっています。
入所待ちの長い期間や、少ない数の入所施設の問題が影を落とす中で、NPO法人ぴゅあは解決策を模索し、さまざまな制度を織り交ぜた支援体制を構築することに成功しました。
さまざまな問題が交差する現状
「親亡き後の問題」「8050問題」「ヤングケアラー問題」は、共に親と子の同居が長引くことで生じる課題です。親の介護負担や、倒れた場合の生命維持、さらには介護の負担によって若者が負担を背負うことが起こります。これらの問題は、親が経済的に自立できない状況を生み、結果として子どもの自立も妨げられがちです。
NPO法人ぴゅあは、このような困難を克服するため、母子分離を推進し、家族や介護者の負担を軽減することを目的としています。
ぴゅあのナーシングホームの具体的な取り組み
新設予定のナーシングホームでは、入居者が昼間に好きな場所に出かけ、夜に帰宅するという自由な生活を提案します。これは、従来の療養介護施設では実現が難しいことです。また、看護師やヘルパーが常駐し、必要に応じて医師や理学療法士が訪問してリハビリや医療的ケアを行う体制が整います。
これにより、重症心身障がい者が自己の生活を築く手助けができるようになることを期待しています。
社会的支援の必要性
NPO法人ぴゅあの活動は、単なる施設の創設にとどまらず、共生社会の実現を目指すものです。彼らが考える理想の社会は、障がいがある人が社会の保障制度に頼ることなく自らの生活を全うできる社会です。このビジョンをもとに、ぴゅあは全国規模での生活水準の向上を目指す活動を展開しています。
NPO法人ぴゅあについて
2011年に発足したぴゅあは、重症心身障がい者の親たちによって運営されています。彼らは、障がい者が必要な支援を受けられるよう、啓発活動や専門養成講座を開催しているほか、行政との協力を通じて医療的ケアに対応した生活介護を実現しています。今後も、地域包括ケアシステムの構築を目指し、その活動を続けていきます。
求人情報
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