はじめに
近年、物価の高騰が続く中で多くの人々が生活に影響を受けている。そんな中、リサーチ会社であるQO株式会社は「生活者見立て通信」第10回目を発表し、物価高に左右されずに自分の“好き”を追い求める生活者たちの姿を浮き彫りにした。このレポートはマーケティングの戦略立案に関わる方々にとって、生活者の心の動きやトレンドをつかむための重要な情報源となる。
物価高による節約意識の高まり
QO株式会社のレポートによると、物価の上昇を実感している生活者は98%という驚異の数字が示されている。多くの人が家計の負担を感じ、特に「食費」や「水道光熱費」などの支出を減らそうと考えているようだ。これに伴い、従来の楽しみ方を見直し、経済的に負担の少ない方法で趣味や楽しみを楽しむ工夫が求められている。実際、調査によれば食費を減らすと考えている人は60.1%、趣味費を減らすと思っている人も51.0%に達している。
お金に関する不安感と趣味の工夫
物価高と同時に、不安感も高まりを見せている。今年の調査によれば、81.4%の人が将来に向けてお金に関する不安を感じていると答えた。この不安は特に40代に顕著であり、節約を意識しつつも生活の質を保つために、工夫して娯楽や趣味を楽しむ方法が見つけられている。
例えば、「手頃な価格で楽しめる娯楽を探す」「プチ贅沢を日常に取り入れる」といった行動が約20%から30%と、多くの人に支持されている。
新しい楽しみの形「疑似体験消費」
ともすると物価高にストレスを感じる中で、新しい楽しみ方が模索されている。「疑似体験消費」とし、自身の好きなテーマパークや観光地を訪れずとも、その周辺で楽しめることが提案されている。特に新千歳空港では丸一日過ごす人々が話題になっており、コストを抑えながらも楽しい時間を過ごすことが可能になっている。
好きなものを身近に
若年層では「ぬい活」という活動が流行している。これは、自身の好きなぬいぐるみを持ち歩き、身近での楽しみを追い求めるスタイルだ。調査によれば、15~24歳の女性の86.1%がぬい活動を行っているとのこと。この活動は自身の好きなものを日常に取り入れる新しい形の楽しみ方を示している。
Z世代の時間の使い方
また、同世代のZ世代に関する調査では、効率的な過ごし方を求める一方で、自分にとって大切なものには時間をかけたいとの意向が示されている。これは、物価の影響を受けつつも、自分の“好き”を叶えるための多様な選択肢が広がっていることを示している。
まとめ
QO株式会社の田野井氏、松﨑氏、増子氏は、生活者の動向から見えるインサイトを通じて、物価高が生活者の趣味や楽しみ方にどのような影響を与えているかに注目している。彼らは、生活者が「好き」を多様な方法で味わう姿勢から、マーケティングのヒントを見出すことができると伝えている。
参考情報
生活者見立て通信第10回の詳細は以下からダウンロード可能です。購入またはお問い合わせについては、QO株式会社の公式サイトをぜひご覧ください。
QO株式会社の公式サイト