しゃべる点字ブロック「コード化点字ブロック」の実証実験がスタート
東京都墨田区の錦糸町パルコで、iUや株式会社東京楽天地、特定非営利活動法人日本インクルーシブ・クリエーターズ協会(ナイカ)によって、革新的な試みであるしゃべる点字ブロック「コード化点字ブロック」の実証実験が行われます。この実証実験は、視覚に障害のある方々や、言語の壁を持つ外国人観光客の移動をより快適にすることを目的としています。
実証実験の概要
この実証実験は、2023年11月1日から約3ヵ月間に渡り実施されます。約80メートルの区間に新たな点字ブロックが敷設され、9つのポイントが音声で案内されるようになります。案内される場所は、錦糸町パルコの入り口や、錦糸町駅周辺、映画チケット売り場や飲食店など、日常的に利用するスポットです。
会場はJR錦糸町駅南口から徒歩すぐの位置にあり、アクセスも非常に便利です。東京楽天地のスタッフたちが手作業で点字ブロックを設置したこのプロジェクトは、企業の協力によって実現しました。この期間中には、ナイカやiUのスタッフが実証実験の内容を分かりやすく説明し、利用者の安心・安全をサポートします。
コード化点字ブロックの特徴
この「コード化点字ブロック」は、金沢工業大学の松井くにお研究室とW&Mシステムズ合同会社の共同研究から生まれた新しいサービスです。点字ブロックに施された丸印や直角三角形のマーキングを、専用アプリ『Walk and Mobile』を使って読み取ることで、現在の位置や周囲の施設が音声で読み上げられます。このアプリはiOSとAndroid両方に対応しており、無償でダウンロードできます。
特に本サービスの特徴は、目の見えない方や視覚に障害のある方々が、周囲の情報をリアルタイムで把握し、より自由に、自立して移動できる社会を実現することを目指している点です。また、海外から訪れる観光客に対しても、日本語が不自由な方々のために、アプリは英語、中国語、韓国語にも対応しており、言語の壁を越えて、より多くの人々に利用できるように工夫されています。
社会における意義
このような取り組みは、よりインクルーシブな社会づくりに寄与するものであり、視覚的な障害を持つ方々にとっての移動の自由度を向上させることに直結します。今後も、こうした新たな技術やサービスが広がることで、障害者や高齢者を含む全ての人が安心して歩ける社会が実現できることを期待しています。
この実証実験を通じて、新たな技術の実用化と、より良いサービスの実現に向けた動きが加速することに期待が寄せられています。視覚障害を持った皆様や、言語の異なる海外のお客様が、安心して日常の生活を楽しめる未来への第一歩となることでしょう。