データサイエンティストの実態
2025-04-11 10:45:53

データサイエンティストの将来性と満足度に見る業務環境の変化

データサイエンティストの将来性と業務満足度



一般社団法人データサイエンティスト協会が実施した調査結果が発表されました。調査は、協会に所属する一般(個人)会員を対象に行われ、データサイエンティストの職業環境や将来性、大きな変化に伴う課題などが浮き彫りとなりました。

調査結果の概要


この調査によれば、データサイエンティストの業務に対する満足度と将来性の認識にはいくつかの懸念が示されました。具体的には、データサイエンティストに将来性を感じている人の割合は78%であるものの、これはここ5年間で最も低い数字です。さらに、全体の業務満足度も37%と、前回調査に比べ9ポイントも下がってしまいました。

若年層では将来性を高く評価しているものの、この傾向は年代別に見ると明確な差があり、30代ではその割合が71%に留まっています。このように、データサイエンティストの業務への期待感には世代間でのギャップが存在します。

課題と変化


調査結果には、データサイエンティストが直面している課題も浮かび上がっています。特にスキルアップ時に相談できる先輩やロールモデルの不足が指摘されており、そのための支援環境の整備が求められています。これに対して、最近の調査では生成AIの業務利用が昨年の2倍に増加し、60%に達するというポジティブな変化も見られます。

また、独り立ち以上のスキルを持つデータサイエンティストや、生成AI関連のスキルを有する割合が増えてきていることも見逃せません。しかし、実際には社内データの分析や活用に関しては60%と、昨年比で10ポイント減少しています。このデータは、企業のデータ活用能力が伸び悩んでいることを示唆しています。

企業環境と人材育成


調査によると、社内に専門のデータ分析組織を持つ企業の割合は43%と停滞しており、また独自育成プログラムを持つ企業も26%であることから、人材育成にかける企業の投資が円滑に進んでいないことが浮き彫りになっています。データ分析業務を担っているデータサイエンティストが、「社内での部署異動」や「他職種からの転職」を経て業務に就いている割合も非常に高いことから、業務の多様性も見えます。分析業務に従事する期間が短いほど社内異動が多く、長いほど転職による人材獲得が盛んなことが明らかになっています。

調査の背景と目的


この調査は、データサイエンティスト協会の調査・研究委員会が実施しており、2015年から続くシリーズとして今回で9回目となります。調査内容には、生成AIの導入状況やデータ分析業務に至る経歴などの要素が追加され、現在のデータサイエンティストの実態を詳しく把握することを目的としています。これにより、企業とデータサイエンティスト間のマッチング状況を明確にし、今後の業界発展に向けた具体的な取り組みが求められています。

最後に


データサイエンティスト協会の友田彩子氏は、この調査結果を踏まえ、「データサイエンス業界は急速に進化しているが、その一方で多くの企業が新たな課題に直面している」と述べています。データサイエンティストの業務環境の改善には、ロールモデルや育成支援が不可欠であり、今後の業界全体における変革が期待されています。


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一般社団法人データサイエンティスト協会
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