低コストで高精度な地図作成が可能に
株式会社イメージワン(東京都品川区)は、名古屋大学発のスタートアップ企業、株式会社マップフォー(愛知県名古屋市)が開発した3次元データ計測システム『SEAMS』の販売を開始しました。このシステムは、低コストでありながら高精度な地図作成を実現し、広範な業界で活用が期待される注目のテクノロジーです。
3次元データ計測の重要性
近年、測量や地図作成は多くの産業において欠かせない要素となっています。特に、GPSやLiDAR、航空および衛星画像、地理情報システムなどの先進技術を駆使することで、建設や土地開発、環境モニタリング、資源管理の分野で精度の高いデータ提供が可能となります。市場規模は、2023年には約6兆円に達し、2030年にかけて30%以上の成長が見込まれています。
SEAMSの特徴
今回の販売を通じて、イメージワンはマップフォーが開発した『SEAMS』を提供します。このシステムは、従来の測量・地図作成手法よりも格段に低コストであり、迅速かつ精密な地図作成が可能です。具体的には、以下のようなモデルが用意されています。
SEAMS LX(車載モデル)
この車載モデルは、高精度のデータ収集と作業の効率化を両立し、低コストでの導入が可能です。複数のカメラやLiDARを搭載し、車両が走行中に周囲の3次元形状や全方位画像を同時に取得します。これにより、電力や道路インフラの保全管理、建設、測量業界向けに精密な3次元データの計測が実現します。
SEAMS ME(ウェアラブルモデル)
このウェアラブルモデルは、歩行しながらの計測が可能で、軽量で持ち運びが容易です。狭い場所や複雑な地形でも自由に操作できるため、都市部や屋内外のさまざまな環境での測量に対応します。この機能により、詳細な地図作成が求められる建設業界などでの実用性が高まります。
MAP IV Engine(ソフトウェア)
さらに、マップフォー社独自のSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)アルゴリズムを活用した3次元点群地図作成ソフトウェア『MAP IV Engine』も提供されます。このソフトは、SEAMSによって計測されたデータから、実世界の形状や物体を精密に捉えることが可能です。RTK-GNSSやIMUを組み合わせれば、高精度の公共測量にも対応できるため、幅広いニーズに応えられます。
SEAMSの公共測量適用
SEAMS LXは、国土交通省による「作業規定の準則」や「マルチGNSS測量マニュアル」に基づき、公共測量にも対応しています。これにより、2024年7月を予定して、公式な測量の場でも利用されることが期待されています。
マップフォーの使命
株式会社マップフォーは、2016年に設立され、3次元地図や環境認識技術を社会実装することを目指しています。多様な分野に対して、「空間知能」を提供しつつ、社会の変革を促すことをビジョンとしています。このような背景から、マップフォーとイメージワンが手を組んだことで、産業界に新しい選択肢が生まれました。
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マップフォー社
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イメージワン
まとめ
今回発表された『SEAMS』は、技術の進化により、低コストで高精度な地図作成を実現するものです。多くの業界で活用が期待されるこのシステムが、どのように我々の生活に変化をもたらすのか注目が集まります。