耐量子暗号技術の導入
2025-02-04 11:28:22

インテックとクオンティニュアムが共同で耐量子暗号技術を提供開始

インテックとクオンティニュアムが耐量子暗号の未来を切り開く



現代の金融、医療、製造業といった業界において、デジタルセキュリティは非常に重要な役割を果たしています。しかし、量子コンピューターの進展により、従来の暗号方式が脅かされる可能性が高まってきました。そこで、株式会社インテックと米国のクオンティニュアムが手を組み、耐量子コンピューター暗号証明書(PQC証明書)の発行機能を2025年2月より提供開始することを発表しました。

この新しいサービスは、インテックの「端末認証用クライアント証明書発行サービス(EINS/PKI for Smart Device)」に、クオンティニュアムの量子技術を活用した暗号プラットフォーム「Quantum Origin」を実装することで実現されます。これにより、暗号アルゴリズムの標準化が進み、量子コンピューター時代における高度なセキュリティが実現されるのです。構築されたPQC証明書は、金融業界の機密情報保護や医療分野の電子カルテの安全性向上、さらには製造業におけるIoTデバイスの認証強化など、多くの分野での活用が期待されます。

PQC証明書発行機能の概要



1. 「EINS/PKI」へのPQC証明書導入



インテックの提供する「端末認証用クライアント証明書発行サービス」に、PQC証明書の発行機能が組み込まれます。具体的には、クオンティニュアムの「Quantum Origin」で生成された乱数を利用して、ML-DSAという標準化された暗号アルゴリズムで署名されたPQC電子証明書を発行します。これにより、企業は量子コンピューターによって既存の暗号が解読されるリスクに備えることが可能となります。

2. 検証用PQC証明書の提供



利用を検討している企業向けには、検証用のPQC証明書を提供します。これにより、自社のサービスやアプリケーションへの導入がスムーズに行えるようになります。長期的なデータ保護と、サービス信頼性の向上に貢献することを目指しています。

セキュリティの未来に向けた背景



NIST(米国国立標準技術研究所)は、量子コンピューターが普及することで従来の暗号アルゴリズムが危うくなる可能性を見越し、耐量子暗号技術の標準化を推進しています。これに伴い、インテックは企業や開発者が早期に新しい暗号アルゴリズムを検証し、PQC証明書を導入できるよう支援する役割を果たしています。

また、量子乱数生成の重要性も強調されています。従来の方法では完全な乱数を実現することが困難でしたが、クオンティニュアムの「Quantum Origin」は量子現象を活用することで、真に予測不可能な乱数を生成します。この技術は、長期にわたるセキュリティの確保に寄与することが期待されています。

今後の展開と提供内容



インテックとクオンティニュアムは、最新のセキュリティ技術を駆使し、PQC証明書の商用提供への準備を進めています。これにより、顧客のデータを保護し、セキュリティ環境をより強化することが可能です。提供価格については個別に相談の上、見積もりが行われるとのことです。

いま、セキュリティの未来が大きく変わろうとしています。インテックとクオンティニュアムの共同サポートにより、量子時代に即したセキュリティ環境の確立が目指されています。


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会社情報

会社名
TIS株式会社
住所
東京都新宿区西新宿8-17-1住友不動産新宿グランドタワー
電話番号
050-1702-4071

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