CCSとは?
炭素回収貯留(CCS、Carbon Capture and Storage)は、化石燃料の利用が続く現代において、温室効果ガスである二酸化炭素(CO₂)を回収し、地下に貯蔵する技術として注目されています。気候変動が深刻化する中、脱炭素化は世界的な課題となっており、日本政府もこの技術に多額の税金を投入して実証実験を進めています。
しかし、CCSには解決しなければならない多くの課題が存在します。これらの課題をFoE Japanはアニメーション動画を通じてわかりやすく解説しました。アニメーション動画は以下の2部構成になっています:
1.
Part1 「CCS 夢の気候変動対策?その落とし穴とは」
2.
Part2 「CCS 夢の気候変動対策?日本のCCSは今」
CCSの課題
1. 莫大なコスト
CCS技術は、非常に高額な設備投資と運営コストがかかります。特に、CO₂の回収、圧縮、輸送、貯蔵を行うためのインフラ整備は巨額の費用が必要です。この高コストは、効果的な技術導入の妨げになる可能性があります。
2. 化石燃料の延命
CCSの技術導入が進むことで、化石燃料の利用が延命される懸念もあります。具体的には、CCSを利用することで、化石燃料依存からの脱却を先延ばしにする危険性があります。このことは、長期的な温暖化対策に逆効果となる可能性が高いとされています。
3. 環境への悪影響
CCS技術を利用する過程で環境に与える影響も無視できません。たとえば、CO₂を地下に貯蔵すること自体が地盤にばらつきを生じ、場合によっては地震を引き起こすリスクも存在します。これらの懸念は、地域への影響を考える上で非常に重要です。
4. 安全性への懸念
CO₂を地中に貯蔵することの安全性も大きな問題です。貯蔵したCO₂が漏れ出す危険性があり、これが人や環境に与える影響は測り知れません。長期的なデータが不足しているため、この点についてはさらなる研究が求められています。
5. 長期にわたる管理責任の不明確さ
CCS施設が稼働する上での管理責任についても曖昧な部分があります。特に、貯蔵後のCO₂管理が長期間にわたることから、 責任主体が明確でない場合、将来的な問題解決が困難になる恐れがあります。
ワークショップとウェビナーの開催
FoE Japanでは、これらの課題を詳しく説明するアニメ動画を公開し、さらにウェビナーも開催します。このウェビナーの詳細は以下の通りです:
- - タイトル: CCS ー夢の気候変動対策?その落とし穴とは
- - 日時: 2025年10月23日(木)20:00〜21:00
- - 場所: オンライン(Zoom)
内容(予定):
- - CCSとは?どんな課題がある?どこまで進んでいる?(FoE Japan深草亜悠美)
- - 首都圏CCS事業とは(FoE Japan吉田明子)
- - 海外からの声
- - 質疑応答
このウェビナーを通じて、CCS技術の真実とそのリスクについての理解を深めることができるでしょう。参加登録は、FuE Japanの公式サイトから行えます。
FoE Japanについて
FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)は、地球規模の環境問題に取り組む国際的な環境NGOです。73ヵ国で活動するFriends of the Earth Internationalの一員として、1980年に設立されました。気候変動、森林破壊、また大規模開発に伴う環境・人権問題に対し、広範な政策提言活動を展開しています。「私たちの生活や社会の問題は、私たちの手で解決する」という思いを持ち、地域に密着した活動を行っています。
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