「動くクリニック」で災害対応の強化
日本は地理的に災害が多い国であり、特に地震や台風などの天災が頻発します。このような背景から、医療への迅速なアクセスが求められる中、「動くクリニック」として知られる「Join Mobile Clinic(JMC)」の導入が進められています。2025年3月27日、特定非営利活動法人ジャパンハートと株式会社アルムがパートナーシップ協定を結び、国内の医療拠点にJMCを導入することが決定しました。
JMCの目的と機能
JMCは、医療アクセスが難しい地域や災害発生時に迅速に対応するための遠隔医療支援システムです。特に、自然災害や紛争の影響を受けた地域において、必要な医療資源を提供することを目的としています。JMCには、ポータブル医療機器と、医療データを管理するための診療記録システム「JoinNotepad」、遠隔で専門医とつながるためのアプリ「Join」が組み込まれています。これにより、医療スタッフは必要な治療や診断を迅速に行えるようになります。
ジャパンハートの理念、『医療の届かないところに医療を届ける』と、アルムが掲げる『全ての人へ公平な医療提供の実現』が交わり、JMCの導入が実現しました。これにより、医療アクセスの障壁を大きく下げることが期待されています。
災害対策への貢献
日本国内では、東京、大阪、富山、岡山、佐賀の5地域にJMCが配備されます。これにより、災害発生時に迅速な医療支援が可能となります。特に、離島や山間部など医療アクセスが難しい地域においても、JMCが迅速に医療サービスを提供することで、多くの命を救う可能性があります。加えて、東南アジアなど医療支援を必要とする地域への展開も視野に入れているとのことです。
専門家の声
株式会社アルムの代表取締役Co-CEO、大谷駿明氏は、JMCが医療格差をなくすための重要な道具であると強調しています。「ICTの力で医療の格差・ミスマッチをなくす」というアルムの理念を体現するこのプロダクトが、ジャパンハートの活動に寄与することを光栄に思うとのことです。
また、ジャパンハート理事長の吉岡春菜氏は、医療者が治療を提供するためには、しっかりとした医療インフラが必要であると述べています。アルムとの協力によって、より多くの人々に合わせた医療提供が可能になるとしています。
まとめ
JMCの導入は、災害大国日本において医療サービスを強化する一歩です。医療が行き届かない地域への支援が実現することで、未来の医療体制の構築へとつながることが期待されています。これからの活動に注目が集まります。