JFEエンジニアリングが新たなCO₂液化・貯蔵設備を竣工
2024年12月9日、JFEエンジニアリング株式会社(社長:福田 一美、本社:東京都千代田区)は、日本CCS調査株式会社(以下「JCCS」という)より受注した「CO₂液化・貯蔵・荷役設備建設工事(EPC)」が竣工したことを発表しました。この設備は、カーボンニュートラルに向けた重要なステップであり、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization, and Storage)技術の実装に寄与するものです。
プロジェクトの背景
本工事は、2021年6月にNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から受託した大規模なCCUS実証プロジェクトの一環です。JCCSは複数の企業と協力し、苫小牧においてCO₂輸送に関する実証試験を行っており、これが本工事の根拠となりました。
設備の詳細
JFEエンジニアリングは、関西電力株式会社の舞鶴発電所から排出される石炭火力燃焼ガスから年間1万トン規模のCO₂を分離し、液化・貯蔵する陸上設備を設計・建設してきました。新しい設備は、低温・低圧条件下で設計されたもので、これにより低コストで大量のCO₂を船舶に輸送することが可能となります。
特に、現行の液化技術では中温・中圧条件(温度:-20℃、圧力:2.0Mpa)が必要ですが、今回のプロジェクトでは低温・低圧条件(温度:-50℃、圧力:0.7Mpa)での実証が行われ、安全で効率的なCO₂輸送が実現できる技術の確立が期待されています。
未来に向けた取り組み
JFEエンジニアリングは、今回の工事を通じて得た設計・建設の経験をもとに、将来のCCUS関連インフラの整備に貢献していく計画です。カーボンニュートラル社会の実現に向けた各種技術開発にも取り組み、持続可能な未来のために必要な基盤を築いていくことを目指しています。
この設備は、環境問題への取り組みの一環として、日本国内でのカーボン排出削減やエネルギーの効率的管理に寄与することが期待されています。JFEエンジニアリングの技術革新が、新しいエネルギー社会の構築にどのように貢献していくのか、今後の展開に注目です。
お問い合わせ
本件に関する詳細な情報や質問については、JFEエンジニアリング株式会社の総務部広報室までお問い合わせください。