日本メドトロニック株式会社は、治療抵抗性高血圧患者を支援するための重要なステップを踏み出しました。2025年9月1日、同社は「Symplicity Spyral 腎デナベーションシステム」の薬事承認を取得し、これにより高血圧治療の新たな選択肢が提供されることになります。このシステムは、腎臓に接続された神経の過剰な活動を抑制するために高周波エネルギーを用いる手法で、患者の治療において革新をもたらすことが期待されています。
日本国内での高血圧患者は約4,300万人とも言われ、国民の約3人に1人がこの病気に悩まされています。高血圧は心疾患や脳卒中などの危険因子であるため、その管理は社会的にも重要です。しかし、薬物療法だけで十分に血圧をコントロールできないケースが多々あり、そのためには補完的な治療法が求められています。
Symplicity Spyral 腎デナベーションシステムの仕組みは、まず医師が患者さんに軽い麻酔を施し、腎臓につながる動脈にカテーテルを挿入するところから始まります。カテーテルが挿入されると、神経の過剰活動を抑制するために高周波エネルギーが供給され、その結果、血圧がより安定します。手術後、カテーテルは体外に取り出され、体内には何も残りません。この方法により、動脈への影響を最小限に抑えることが可能です。
このデバイスはすでに世界70カ国以上で使用が許可されており、30,000を超える患者に提供された実績があります。最近の研究によると、高血圧の患者の約45%が、3種類以上の薬を服用していても血圧が150mmHg以上の状態を維持しており、このような患者が非薬物治療を希望していることが確認されています。調査では、患者は「収縮期血圧の低下」を最も重要視しており、効果が持続することを求めている傾向があることも示されています。
自治医科大学の苅尾教授は、配置された新しい治療法が薬物療法と生活改善に加えて、患者にとって有益な解決策を提供することを強調しました。また、メドトロニックの尾崎氏は、このシステムを通じて医薬品のみでは十分に管理できない高血圧患者に新たな選択肢を提供できることを嬉しく思っているとコメントしました。
日本メドトロニックは、患者の生活の質を向上させるために新たな技術を使って治療法の進展を目指しています。同社は、70以上の健康問題を対象とした先端医療技術を提供し続け、世界中の患者を支えるミッションを掲げています。今後の展開に期待が高まる中、Symplicity Spyral 腎デナベーションシステムは高血圧治療に革新をもたらすことになるでしょう。