SAFが旅客便に供給
2025-05-08 14:02:58

国産SAFが初めて旅客便に供給、航空の脱炭素化加速へ

国産SAF、航空機へ初供給



国産の持続可能な航空燃料(SAF)が、2025年5月1日付けで初めて日本航空の旅客便に供給されました。この供給は、日揮ホールディングス株式会社、日本航空株式会社、関西エアポート株式会社が共同で進める「Fry to Fly Project」の重要な一部として実現したものです。このプロジェクトは、国内で発生する廃食用油を原料にしたSAFの導入を目指し、持続可能な航空業界の実現を目指しています。

今回の供給では、JALのJL891便(関西発上海(浦東)行)が国産SAFを利用した最初の旅客便として位置づけられています。この成就は、関西国際空港におけるSAF供給の初めてのケースにもなります。

SAFの量産とその背景



供給されるSAFは、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが製造したもので、コスモ石油堺製油所内の製造設備で量産が行われています。この事業は、持続可能な製品の国際認証であるISCC CORSIAを取得しており、一定の環境基準を満たすものです。2024年末までには国内初の大規模SAF製造設備が完成する予定で、2025年4月からは日本国内で安定的にSAFの製造・供給ができる見込みです。

このような取り組みの背景には、国際的な環境基準を考慮した航空業界の脱炭素化の流れがあります。国際民間航空機関(ICAO)は、国際線の航空機によるCO2排出を2050年までに実質ゼロにすることを目指しており、2024年からは2019年比で15%の排出削減が求められています。したがって、国産SAFの導入はその一歩として重要です。

Fry to Fly Projectの概要



「Fry to Fly Project」は、廃食用油を利用したSAFの利用推進を目的としたプロジェクトです。家庭や店舗から排出される廃食用油を原材料として活用することで、航空業界に貢献することを目指しています。このプロジェクトの参加メンバーは、初めての29社から現在では200社以上に拡大し、各地の自治体とも連携を深めています。

廃食用油は日本国内では年間10万トン以上が廃棄されており、これを有効に活用することは、資源循環型社会の実現にもつながります。自治体との協力によって、廃食用油の収集や教育活動が進められ、持続可能な航空燃料の利用が促進されています。

SAFの利点



SAFは、従来の航空燃料と比較して環境への負担が大幅に軽減できます。バイオジェット燃料などが含まれ、廃食用油やサトウキビといった再生可能な資源を原料としています。このため、航空機や給油設備を変更しなくても使用でき、ライフサイクル全体で約60〜80%のCO2排出削減効果が期待されています。

このような新しい取り組みが、航空業界における持続可能性の向上に寄与することは間違いありません。今後も企業と地域が連携し、持続可能な航空燃料の普及を目指していくことで、環境に優しい未来が実現することを期待しています。プロジェクトは、環境保護と経済活動を両立させる新たなモデルとして、国内外での評価が高まることでしょう。

まとめ



このたびの国産SAFの旅客便への供給は、日本における航空業界の新たな一歩であり、環境への配慮が求められる現在において特に重要です。将来的には、このような取り組みが世界的な脱炭素化の流れを一層加速させることになるでしょう。


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会社情報

会社名
日本航空株式会社
住所
東京都品川区東品川2-4-11野村不動産天王洲ビル
電話番号
03-5460-3121

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