患者と医師のパートナーシップ
2011-04-19 13:58:06

患者と医師の関係性進化:良好なコミュニケーションの実態調査

患者と医師の関係性進化:良好なコミュニケーションの実態調査



近年、医療現場における患者と医師の関係性の変化が注目されています。従来の「先生」と「生徒」のような一方的な関係から、より対等で協調的な関係へと移行しつつあるという見方です。この変化を裏付ける興味深い調査結果が、フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社によって発表されました。

同社が実施したインターネット調査では、通院治療中の患者300人を対象に、医師とのコミュニケーションに関する実態が明らかになりました。その結果、医師との会話で生じた疑問点について、70%以上の患者が医師に再度確認していることが判明しました。これは、患者が受診における情報提供の質に高い関心を寄せていることを示唆しています。

さらに、治療法や薬に関する希望や変更について、約半数の患者が医師に積極的に伝えているという結果も得られました。これは、患者が自身の治療に積極的に関与しようとする姿勢の表れであり、医療における主体的な意思決定への関心の高まりを示していると言えるでしょう。

これらの結果から、患者の約85%が医師との会話を通して、病気や治療法に関する悩みや疑問を概ね解決できていると回答していることがわかります。この数値は、医師と患者の間の建設的なコミュニケーションが、治療効果の向上や患者の安心感に大きく貢献している可能性を示唆しています。

一方で、診察内容をメモする患者は少ないという結果も得られました。90%以上の患者がメモを取っていないか、あまり取っていないと回答しており、医療情報へのアクセシビリティの向上や、患者が理解しやすい説明方法の工夫が求められるかもしれません。

調査結果について、メドピア株式会社代表取締役の石見陽氏は、「限られた診療時間の中で、患者がどの程度疾患を理解し、疑問を解消しているかについて、自信を持って答えられない医師は多いと思われる」とコメントしています。今回の調査は、多くの患者が積極的に医師とのコミュニケーションを取り、自身の治療に主体的に関わっている現状を浮き彫りにしました。

この調査は、患者と医師の関係性が、単なる「先生」と「患者」という上下関係から、互いに協力し、情報を共有する「パートナー」のような関係へと変化していることを示唆しています。今後、医療機関は、患者の積極的な関与を促すような環境づくりや、より分かりやすい情報提供、そして患者との信頼関係構築にさらに注力していく必要があるでしょう。患者自身の健康に対する意識の高まりと、医療機関の対応の改善が、より良い医療環境の実現につながっていくと考えられます。

調査概要

調査対象:全国通院治療中の患者さん(疾患問わず)
有効回答数:300サンプル
調査方法:インターネットリサーチ(楽天リサーチ)
調査期間:2011年2月24日(木)~2月25日(金)
* 調査内容:「病院受診に関する意識調査」

本調査は、医療現場におけるコミュニケーションの重要性を改めて浮き彫りにしました。患者と医師が互いに信頼関係を築き、積極的にコミュニケーションをとることで、より質の高い医療が提供される未来を目指していくことが重要です。

会社情報

会社名
フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社
住所
東京都中央区晴海1-8-10  東京トリトンスクエアX38F
電話番号
03-6204-4301

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