東京大学とRed Capitalがヘルスケア投資で連携し新たな成長支援体制を構築
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)は、同社が運営するASAファンドを通じて、Red Capital株式会社が運営する「Red 1号ヘルスケア投資事業有限責任組合」にLP出資を行った。この出資は、大学発スタートアップのエコシステムのさらなる強化を目指すものであり、特にヘルスケアおよびライフサイエンス分野の成長を後押しすることになる。
Red Capitalは、創薬や再生医療、デジタルヘルスなど幅広い分野に特化したスタートアップへの投資を行うベンチャーキャピタルであり、その投資モデルはシードからEXITまでの一貫した支援を行う「シードドライブ型」と、既存株主からの持分引受を通じて経営変革を支援する「エコシステム補完型」に分けられる。特に、技術や市場の変化に迅速に対応することが求められるディープテック領域においては、プライマリーとセカンダリーを柔軟に活用した支援が可能であり、成長段階に応じた事業の持続性を高めることに貢献する。
今回の出資に際し、Red Capitalの代表取締役マネージングパートナーの片田江舞子氏は、「東大IPCとの連携が、アカデミア発のインベンションからイノベーションを創出する取り組みを加速させる」と述べ、共同投資を通じたさらなる成長支援への期待を表明した。一方、もう一人の代表取締役マネージングパートナー井上智子氏も、ヘルスケア・ライフサイエンス領域において深い専門性と長期的な視点が不可欠であるとし、「研究開発型スタートアップの価値創出を一貫して支えていく」とした。
日本の大学発スタートアップを対象とするASAファンドは、韓米官および海外との連携を強化し、日本のスタートアップエコシステムを世界的なレベルへ引き上げることを目指している。具体的には、大学における技術シーズの事業化支援を行い、グローバル展開を可能とするスタートアップを育成するために大学VCファンド等に出資するなど、さまざまな運用方法を検討している。
東京大学周辺に構築されたベンチャーエコシステムをさらに発展させるべく、東大IPCは2016年に設立された。現在までに、世界の競争に立ち向かうため多くの大学関連スタートアップや民間VCファンドへの投資を行っており、研究者技術シーズの事業化を実現させる「スタートアップ創造プログラム」や、国内最大規模の成長支援プログラム「1stRound」の運営に力を注いでいる。ディープテックスタートアップの育成支援のためのプラットフォームを構築し、継続的なサポートを提供していることでも知られている。
2024年には、ASAファンドの設立を経て新たなスタートアップ創出のための拠点形成を目指す東大IPC。今回の出資は、ヘルスケアやライフサイエンス分野において重要な役割を果たし、社会課題を解決するための具体的な施策となる見込みである。今後も、両者間の連携を通じた新たなイノベーションと投資モデルが期待されている。
会社情報
- 会社名
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東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
- 住所
- 東京都文京区本郷7-3-1東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
- 電話番号
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03-3830-0200