IHIが成功させたCO2由来の持続可能な航空燃料の合成
近年、航空業界は環境への配慮を強化しており、その一環として持続可能な航空燃料(SAF)の開発が進められています。そんな中、日本の企業IHIは、大きな進展を遂げました。CO2と水素を原料とした航空燃料の合成に成功し、その特性が世界的に評価される結果となりました。
SAFとは?
持続可能な航空燃料(SAF)は、従来の航空燃料に代わる新しい燃料であり、環境負荷を軽減することが期待されています。CO2を再利用することで、新たな燃料を製造し、温室効果ガスの排出を抑制する仕組みです。これにより、2050年までに航空機のCO2排出を実質ゼロにすることを目指す国際民間航空機関(ICAO)の目標に貢献することができます。
IHIの取り組み
IHIは2022年より、シンガポール科学技術研究庁傘下のISCE²と共同で、CO2と水素からSAFの原料となる液体炭化水素を合成するための触媒の開発を行ってきました。数回にわたる実験を経て、触媒の性能が世界トップクラスであることを確認しました。
2025年に同社がISCE²内に設置した試験装置で、液体炭化水素の合成試験をスタートしました。この合成試験で得られた燃料サンプルは、アメリカのワシントン州立大学において評価され、航空機用の代替ジェット燃料として優れた性能を持つことが証明されました。
評価結果と特性
ワシントン州立大学では、IHIが合成したSAFサンプルについて、ジョシュア・ヘイン所長が以下のように評価しています。「IHIの新しい燃料サンプルは、初期段階のSAF候補として求められるすべての特性を満たし、またはそれを上回りました。特に、炭化水素の組成と低温での流動特性が優れていることが印象的でした。」この評価は、IHIが生産したSAFが寒冷環境での運用に必要な基準を満たすことを示しています。
カーボンニュートラルに向けて
航空業界における持続可能性の追求は急務であり、IHIのSAF開発はその一環として期待されています。CO2と水素を用いた新しい合成法が商業化されれば、航空業界における環境への配慮が大きく進展するでしょう。また、ASTM認証取得に向けた重要なステップにもなります。
IHIは今後も、環境に配慮した効率的で安定的なSAF製造技術の確立を目指して研究開発を進めていくつもりです。これにより、航空業界のカーボンニュートラルの達成に貢献できることが期待されます。
まとめ
持続可能な航空燃料の開発は、地球環境を保護しつつ航空業界の進化を促す重要なプロジェクトです。IHIの取り組みは、その成功に向けて新たな可能性を開くものであり、今後の展開に注目したいところです。