静岡市・建穂寺の仏像修復クラウドファンディング
静岡県静岡市葵区には、かつて名を馳せた大寺院「建穂寺」が存在しました。この寺は平安時代から江戸時代にかけて最盛期を迎えていたが、明治期に入ると廃仏毀釈や火災の影響でその姿を消しました。今では幻の寺として語り継がれていますが、その遺志は仏像たちに引き継がれています。
今回、静岡市の地域コミュニティにより管理されている建穂寺の仏像のうち、特に大切な「木造地蔵菩薩像」の修復資金を集めるためのクラウドファンディングが始まりました。このプロジェクトは、「株式会社文化財マネージメント」が手がけており、目標金額は103万円です。プロジェクトはCAMPFIREで実施され、期間は2016年7月11日から8月24日までとなっています。
木造地蔵菩薩像は、慶長19年(1614)に有名な仏師「足立三郎三位」によって制作された作品で、その歴史的価値の高さは特筆に値します。この像は地域の人々にとって、特別な存在であり、毎年8月の「地蔵盆」では祭礼の象徴として祀られています。しかし、近年その保存状態は悪化しており、頭部と胴体の接着部分が外れ、さらに虫による損傷も目立ちます。1日でも早く修復を行わなければ、さらに深刻な問題に発展しかねません。
残念なことに、建穂寺は現在、一般の寺院のように檀家からの収入を得ることができず、地域住民の手によって修復費が賄われています。しかし、地蔵菩薩像の修復には現実的に難しい資金の壁が立ちはだかっています。このために、今回のクラウドファンディングが決定しました。
これまでに、山形県内の寺院で行われたクラウドファンディングプロジェクトでは、約160万円の資金が調達され、仏像修復が成功を収めました。それを受けての第2弾として、今度は静岡市の建穂寺が選ばれました。地域の方々や文化財への理解を深めるためにも、このプロジェクトの成功は重要な意義を持ちます。
地域住民が一丸となり文化財の保存に向けて進む姿勢を示すことで、未来の世代にもその文化を守り伝えることができるでしょう。クラウドファンディングに参加することで、仏像修復の一翼を担うことができるのです。文化財の保護、地域文化の継承のために、私たちの小さな支援が大きな力となります。ぜひ、ご参加を検討してみてはいかがでしょうか。
詳しくはCAMPFIREのプロジェクトページをご覧ください:
静岡市の幻の寺・建穂寺に伝わる400年前の仏像を修復したい!
文化財の修復は単なる作業ではなく、地域の歴史を背負った大切なプロジェクトです。この修復が成功すれば、建穂寺の再興に向けた一歩を踏み出すことになります。私たち一人一人の力が集まれば、文化財の未来も明るいものとなるでしょう。