働く人の意識調査:テレワークの実施状況
2023年初めに発表された第16回「働く人の意識調査」によると、テレワークの実施率が14.6%と過去最低を記録しました。この調査は、公益財団法人日本生産性本部が行ったもので、2020年5月から定期的に実施されています。
新型コロナウイルスの位置付けが「5類」に変更されてから約1年8ヶ月が経過した中でも、働く人の意識には大きな変化が見られました。特にテレワークの導入状況が顕著で、実施率の低迷が続いています。自宅勤務の希望者の割合も36.9%にとどまっており、これまでとは異なる労働環境が浮き彫りとなっています。
問題提起
調査が行われた2023年1月6日と7日の感染者数が過去最多を記録した背景も影響していると考えられます。景況感に関しては、全体の59%が「悪い」と答え、望ましい状態とは言えません。このことが消費者や雇用主の心理にも影響を与え、テレワークの利用が進まない要因の一つとみられています。
業務効率化の現状
今回の調査では、職場での生産性向上の取り組みとして「業務の進め方の効率化」が最も多く選ばれました。また、情報共有活動やコスト削減も重要視されています。一方で、商品やサービスの改善といった「産出」を増やす施策は、29.3%とやや低めの結果となりました。
このような背景には、企業側のリソースの制約も影響していると考えられます。職場環境の整備や社員のキャリア形成に関するニーズも高まっていますが、実行に移すのは容易ではない状況です。
転職意向の変化
働く人の転職意向に関しては、現時点で転職を考えている人は39.0%に達し、前回調査よりも微増しているものの、全体としてはまだ61.0%が「転職をするつもりはない」と回答しています。これにより、若者の就業環境や、中高年層の心境にも違った影響が及んでいることが示唆されます。
今後の展望
テレワークの実施率が過去最低に達したことは、多くの企業や団体にとって警鐘です。社員の希望やニーズを踏まえた新しい働き方が求められています。また、リモート勤務は当然であるという理解がもたらされた影響といえるでしょう。
日本経済の側面や労働市場の動向、社会全体の意識の変化などに目を向けることで、持続的な成長が見込まれます。企業が今後どのように変革を進めるかが、興味深いポイントです。
調査結果は日本生産性本部のウェブサイトで詳細が公開されています。今後の働き方の変化に注目です。