AIと画像解析でレールの腐食を見逃さない新しいシステムが始動

AIと画像解析技術で進化するレailの保守

東京メトロ株式会社（以下「東京メトロ」）と日本電気株式会社（以下「NEC」）、そして日本電気通信システム株式会社（以下「NEC通信システム」）は、共同で革新的なシステムを開発しました。このシステムは、AIと画像解析の力を借りて、東京メトロ千代田線のレールの腐食を自動的に検知します。この新技術は、2025年8月から本格稼働を予定しており、鉄道保守の現場に革命をもたらすことが期待されています。

開発の背景

レールは、鉄道運行の安全を支える重要なインフラですが、特に湿潤環境にある区間では腐食が進みやすく、その管理は非常に重要です。東京メトロは、2019年度から2021年度にかけて、レールの腐食状態を分析するための検証を行ってきました。これにより得られたデータをもとに、AIを使用した腐食検知システムが完成。2023年度には共同開発を果たし、さらなる精度向上へ向けた検証を行っています。

システムの特徴

今回開発されたシステムは、NEC通信システムの「映像点検監視基盤」を基にしたもので、営業列車に搭載されたモニタリング装置で撮影されたレールの画像を活用します。AIと画像解析技術を用いて、腐食の位置とサイズを自動的に抽出できる機能を持っています。具体的には、NECの機械学習ソフトウェア「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」が搭載されているため、ピクセル単位で腐食箇所の特定が可能。これにより、高精度で短時間の解析が実現されます。

今後の展開

東京メトロにおけるこのシステムの導入は、単に腐食を検知するだけに留まらず、計画的な保守管理を実現します。レールの保守運用が効率化され、今後は他路線への拡充も計画されているとのことで、鉄道業界全体における保守技術の進化にも寄与することが期待されます。

まとめ

AIを活用したレールの腐食検知システムは、東京メトロの努力により実現されたものであり、安全で効率的な鉄道運行の実現に向けた一歩となります。NECは、ビジネスモデルの変革を主導し、AI技術を通じてさまざまな社会課題の解決を目指しています。これにより、鉄道業界における保守・管理の進化が進むことで、さらなる安全性と効率化が推進されることでしょう。