脳動脈瘤検出AIの性能向上、エルピクセルが新モデルを発表

エルピクセルが新モデルを発表

エルピクセル株式会社は、2025年6月12日付で脳動脈瘤の候補点を検出するプログラム医療機器EIRL Brain Aneurysmの新モデルについて承認を取得したことを発表しました。この新しいモデルは、頭部MRA画像を用いて脳動脈瘤の候補点を探知する役割を果たします。

EIRL Brain Aneurysmとは

この製品は2019年に、国内で初めてAIを活用した医療プログラムとして承認されました。以降、ユーザーからのフィードバックを受けて、2021年には偽陽性の数を減少させたバージョンアップを実施しました。新しいモデルでは、さらに多くの学習データが追加され、アルゴリズムも見直されることで、検出感度を維持しつつ、症例あたりの平均偽陽性数を「1」以下に減らすことが実現されました。

医療現場からの反響

EIRLシリーズは、2019年10月から販売が開始され、現在では多くの医療機関に導入されています。大学病院から診療所まで、これまでに累計1000以上の施設で使用されており、解析件数は1200万件を超えています。医師たちからは、特にEIRL Brain Aneurysmに対する要望が上がっており、偽陽性が多いことが診断の妨げになっていると報告されています。そのため、エルピクセルは性能改善に尽力しています。

新モデルの特長

新たに承認されたモデルの特長は、以下の通りです。

- 偽陽性の低減: EIRL Brain Aneurysmは、従来のモデルでは1症例あたり最大4つの候補点を表示していましたが、新モデルでは感度92.3%を維持しながら、偽陽性の数を「1」まで抑えることが可能となっています。
- 臨床での応用: 患者の脳底動脈など、詳細な検出が可能であり、医師が信頼して診断を行えるツールとしての地位を確立しています。

エルピクセルのインパクト

エルピクセルは「医療AIですべての人に健康な未来を」というビジョンのもと、医療AIの研究開発と社会実装を進めています。自社の画像診断支援AI「EIRLシリーズ」は、鹽の医療機関において導入されることで、医療現場の効率化をもたらしています。また、他の医療分野においても革新的な製品を提供するべく、オープンイノベーションのハブとしてパートナーたちと連携し、医療に関わる課題に取り組んでいます。

エルピクセルの今後の動向として、さらなる性能改善や、対象領域の拡大が期待されています。この新モデルが、脳動脈瘤の早期発見や正確な診断においてどのように貢献するのか、今後の活躍から目が離せません。