半導体制作の新たな地平を切り開く
2025年3月5日、ダイヤモンド社から新刊『新・半導体工場のすべて 設備・材料・プロセスからAI技術の活用まで』が刊行されました。この書籍は、半導体製造の複雑なプロセスを一般読者にも理解できる形で解説しており、特に大量の図解や用語集が特徴的です。著者の菊地正典氏は、半導体業界での豊富な経験を糧に、最新の情報を基にした解説を行っています。
半導体製造の全体像
本書は、2012年に発行された『半導体工場のすべて』のアップデート版です。13年が経った現在、半導体製造の技術や状況は大きく変わってきました。特に、巨大ファウンドリ企業であるTSMCの日本国内での進出や、国策ファウンドリとして新たに設立されたラピダス、さらにはグローバルに広がる半導体工場の建設ラッシュといった現象を取り上げています。
新しい技術と動向
本書では、新しい成膜法や露光法に関する解説が加わり、半導体製造プロセスにおける最新技術について深く掘り下げています。特にAIの導入が進んでいる現代の半導体工場の実態に迫り、これからの半導体業界における課題や展望を示しています。
目次の概観
本書は以下の章立てで構成されています。
- - 第1章: 半導体工場の敷地内を歩いてみると
- - 第2章: ICはこうして作られる
- - 第3章: ICづくりを支える裏方プロセス
- - 第4章: 原材料や機械・設備について
- - 第5章: 検査でのミス発見法、出荷方法
- - 第6章: 工場内の「御法度・ルール」
- - 第7章: 働く人々のホンネ
- - 第8章: 半導体工場の秘密
- - 第9章: 変貌を遂げる半導体工場
これらの章を通じて、読者は半導体製造の実態を多角的に理解することができるでしょう。
著者の背景
菊地正典氏は、1944年に樺太で生まれ、東京大学工学部物理工学科を卒業した後、日本電気株式会社に入社。同社で長年にわたり半導体関連の業務に携わり続けた実績があります。技術者としてのキャリアを持ちながら、業界団体の活動にも参加しており、半導体技術の発展に寄与してきました。
読者へのメッセージ
読者はこの書籍を通じて、半導体の科学的・技術的な側面だけでなく、その背後にある経済や政治的な状況についても学ぶことができます。また、図解を多用したことで、専門知識がなくても理解しやすい内容となっています。半導体製造業界に興味のある方々にとって、必読の一冊と言えるでしょう。
『新・半導体工場のすべて』は、価格2640円(税込)で販売されており、244ページのボリュームで多岐にわたる情報が詰め込まれています。半導体業界の最前線を理解し、未来を見据えるための手助けとなる一冊です。