日本企業におけるCIOの重要性とその実務
2026年7月10日、星野書房から根津修二著の『グループ経営を支えるCIOの実務』が刊行されます。この本は、電通グループでCIOを務めた著者が日本企業のIT経営に関する実務や課題を赤裸々に語った一冊です。近年、生成AIの導入やデジタルトランスフォーメーションが進む中、企業に求められるIT経営の戦略や実行力がますます重視されています。しかし日本企業は、基幹システムの老朽化やIT投資の遅れ、専門人材不足など、さまざまな課題に直面しています。
社会課題とCIOの役割
現在、生成AIやDXの進展により、ITが経営そのものに与える影響は計り知れません。経済産業省によると、日本企業は他国に比べてIT投資の伸びが弱く、基幹システムの刷新に困難を示しています。また、サイバーセキュリティの脅威も増しており、ランサムウェアのリスクなどが経営課題となっています。こうした状況の中で、CIO(最高情報責任者)は、単なるシステム導入にとどまらず、経営戦略全体を見渡す役割が必要とされています。
著者の根津修二は、CIOとしての経験から、ITを企業の基盤として活用することの重要性を強調しています。実際に彼が取り組んできた改革の中で、ITはただの効率化を図る手段ではなく、企業全体や市民生活を支える「社会インフラ」として捉える必要があります。
実務のリアル
本書では、著者が直面した現場の混乱や失敗を包み隠さず描写しています。基幹システムの全面刷新やサイバーセキュリティの強化、AIの実装など、成功談だけではなく、失敗や葛藤も含めてリーダーシップや組織文化の課題が議論されます。これにより、読者は「変わろうともがく企業」のリアルな姿を理解できるでしょう。
本書の特徴はいくつかあります。まず、国内最大級企業グループのCIOが語る実務の記録として、具体的な事例をもとに基幹システムやサイバーセキュリティ、AI活用、ITガバナンスを解説。さらに、経営者目線での理解を促す内容となっており、CIOのみならずCEOやCFO、情報システム部門の実務者にも役立つ内容です。
著者の想い
根津は、ITの重要性だけでなく、その導入に際して経営陣が果たすべき役割にも触れています。経営陣がCIOをどう支えるのか、またCIOのスキルセットには何が必要かといった点についても詳しく言及されています。著者の意図は、企業が持つべきIT経営基盤を再考するきっかけとなり、そのための実務を具体的な経験から提案することです。
さらに、本書の印税は特例子会社「電通そらり」の活動支援に寄付されることも、著者の社会的責任を果たす姿勢を示しています。知識を共有することで、社会全体が恩恵を受けられるよう努めているのです。
書籍情報
本書『グループ経営を支えるCIOの実務』の定価は1,650円(税込)。経営にIT戦略がどれほど重要かを再認識させる内容で、CIOを目指す人や経営に携わる人々にとって貴重なリソースとなるでしょう。ぜひ手にとって読んでみてください。