長崎マリオットホテルがインテリアプランニングアワード2024入選
長崎県長崎市に位置する長崎マリオットホテルが、2024年の第九回インテリアプランニングアワードに入選したことが発表されました。この賞は、インテリアプランナーが手がけた優れた空間を評価・顕彰するもので、長崎マリオットホテルはその魅力的なデザインによって注目を集めています。
新幹線の「長崎駅」に隣接するこのホテルは、長崎市の象徴とも言える稲佐山や長崎港を望むロケーションに恵まれ、九州初のマリオットホテル、かつ国内で9番目の開業となります。特徴的なのは、客船をイメージしたデザインであり、長崎の自然や街並みを取り入れた異国文化が表現されています。これにより、モダンさと土着の文化が融合する独自の宿泊体験が実現しています。
設計者は、長崎の歴史や文化をまず感じ取り、その上でモダンなクルージング空間を追求しました。特に、長崎が貿易の窓口として近代化に貢献した歴史を掘り起こし、異国文化の影響をデザインに反映させています。ウェルカムエリアは船の帆を模したデザインで、地元の歴史や文化を感じさせる家具やアートワークがアクセントとして配置されています。
インテリアデザインの特長
長崎マリオットホテルの魅力は、そのインテリアデザインにもあります。客室は長崎特有の地形を反映させた和紙のアートワークや、船にインスパイアされたデザインで装飾されています。プルシャンブルーやブロンズを使ったアクセントが、落ち着いた雰囲気を演出し、まるで船の中にいるかのような体験を提供します。
また、ホテル内のオールデイダイニングでは、出島の貿易時代に使用されていた素材や工芸品を取り入れたメニューが揃っており、長崎の豊かな食文化を体感できる工夫がなされています。食文化の再現により、訪れる人々に特別かつ独自の食体験を提供します。
さらに、スペシャリティレストランでは、「出島の隠れ家」というコンセプトに基づき、鉄板焼きや寿司を楽しむことができる独自の空間が設けられています。建築形状も巧みに活かされ、現代と過去をつなぐ特別な雰囲気が感じられます。
地域との共存
長崎マリオットホテルの設計においては、地域との共存が重要なテーマとなっています。建設に際しては、建築主である九州旅客鉄道株式会社や設計者の株式会社大林組、内装設計の株式会社久米設計、施工を手掛けた高島屋スペースクリエイツが協力し、深い理解に基づく共同作業を行いました。これによって、長崎の歴史・文化を尊重しつつ、現代的なデザインを見事に融合させることに成功しました。
最後に
長崎マリオットホテルの受賞は、単なるアワード受賞にとどまらず、地域の活性化にもつながる重要な一歩です。モダンでありながらも、長崎の歴史を感じさせるこのホテルは、訪れる人々にとって特別な存在となることでしょう。今後も長崎の魅力を広げる拠点としての役割が期待されます。