日本化学産業、福島県にパイロットプラント建設へ
日本化学産業株式会社は、福島県いわき市の「いわき四倉中核工業団地」において、先進的金属リサイクル事業の一環としてパイロットプラントを建設することを決定しました。この計画は、経済産業省から「重要鉱物の供給確保計画」として認定を受けており、2024年度内に着工し、2026年4月に稼働を開始する予定です。
この新しいプラントは、電気自動車(EV)の使用済み二次電池から金属をリサイクルする技術実証を含む事業化に向けた取り組みとして重要です。近年、EV市場は急速に拡大しており、それに伴い使われなくなったバッテリーの処理方法が大きな課題となっています。この状況に対応するために、当社は独自の分離・精製技術を活用し、ニッケル、コバルト、リチウムなどの金属を効率的に回収していく方針です。
高度な技術による循環型社会の実現
当社は2023年10月に「新・中期経営計画」を発表し、2030年までに循環型社会の実現および脱炭素社会の構築を目指すことを宣言しました。この計画には、「オンリーワン事業」「先端の新素材事業」「先進的金属リサイクル事業」の3つのビジョンが含まれており、戦略的かつ積極的に取り組んでいます。
特に注目すべきは、使用済み電池を処理し、再びEV向けの電池材料に戻すためのリサイクルシステムを確立することです。これにより、サプライチェーン全体の環境負荷を軽減することが可能となります。クローズドループ・リサイクルを実現することで、資源の循環利用にも寄与し、持続可能な社会づくりを推進していきます。
プラントの詳細
- - 建設予定地: 福島県いわき市「いわき四倉中核工業団地」
- - 概算投資額: 約31億円
- - 処理能力: ブラックマスとして約60トン/年(操業開始時点)
- - 稼働開始: 2026年4月予定
ブラックマスとは、回収後の電池を粉砕した際に得られる、様々な金属が混在した粉体を指します。この新しいプラントでは、これらの素材を効率的に処理し、環境に配慮したリサイクルが進められる予定です。
日本化学産業は、長年にわたって金属リサイクルに関する研究開発を行っており、得られた知見を活かして、今後も技術開発を加速させていく方針です。新たな産業の創出とともに、日本国内における資源循環の推進に貢献することを目指しています。
さらなる情報については、公式ウェブサイトをご覧ください:
日本化学産業 - リサイクル
経済産業省の支援
また、この取り組みは経済産業省の経済安全保障政策の一環としても位置付けられており、重要鉱物に関する情報は、こちらのリンクでご確認いただけます:
経済産業省 - 重要鉱物
日本化学産業は、21世紀における持続可能なビジネスモデルの構築に向け、新たな挑戦を続けていきます。