Craifが日本人間ドック学会での発表
2025年8月22日から23日、国立京都国際会館で開催された第66回日本人間ドック・予防医療学会学術大会において、Craif株式会社のCTOである市川祐樹氏が「検診受診率が低い地域におけるマイシグナル・スキャンを用いたがんスクリーニングに関する前向き観察研究」を一般演題として発表しました。この発表は、特に低い検診受診率が課題となっている地域における新しい医療戦略を示すものであり、参加者の注目を集めました。
がんスクリーニングの研究成果
Craifの研究チームは、がんスクリーニングを通じて得られた具体的な成果を発表しました。マイシグナル・スキャンによる評価の結果、肺がんのリスクが高いと判断された患者の中から3名が治療を受け、そのうちの1名はステージ0の肺がん(AIS)と認定され外科的手術が行われました。また、大腸がんのリスクが高いと判定された2名については、腫瘍性ポリープの内視鏡的切除が実施され、早期治療が実現しました。
この成果により、がん検診受診の低い地域でも、医療機関への受診を促す可能性が示されました。特に北海道の岩内町では、肺がん検診受診率が6.8%と全国的にも非常に低い状況にありますが、Craifの研究がその状況を改善する手助けになることが期待されています。
ランチョンセミナーの開催
さらに、Craifが開催したランチョンセミナーでは、尿中マイクロRNAを活用した新しいがんスクリーニング検査の最新情報が共有されました。このセミナーは満席となり、546名の参加者が集まりました。座長を務めた市川氏が登壇し、尿中マイクロRNAによる非侵襲的な検査法が高精度でのがん早期検出を実現できることが報告されました。これまでの臨床研究や社会実装プロジェクトの成果も示され、尿中のマーカーによるがん検査の将来性に期待が寄せられました。
Craifについて
Craif株式会社は2018年に設立されたバイオAIスタートアップで、がん検査の研究と開発に力を入れています。尿やその他の体液から多様なバイオマーカーを高精度に検出する独自の技術「NANO IP®︎」を駆使し、がんの早期発見や治療を目指しています。
Craifの取り組みは、がん早期発見の重要性を再認識させ、地域医療の向上に貢献するものといえるでしょう。今後も、がんスクリーニング技術の進化に期待が高まります。