海洋プラスチックを利用した新たな工芸品創造プロジェクト
世界では、毎年約800万トンものプラスチックごみが海に流れ込んでいます。この問題は多くの海洋生物に深刻な影響を及ぼし、環境への影響は無視できない状況にあります。解決策が急務とされる中、株式会社テクノラボは新たなプロジェクトを立ち上げ、海洋プラスチック廃棄物を原料とした工芸品の製作を始めました。この取組は企業の社会的責任(CSR)の一環として行われ、地球規模の課題に挑むという意欲が感じられます。
プロジェクトの概要
今回のプロジェクトで展開される製品は「reBirth(リバース)」というブランド名で、テクノラボの社員である田所沙弓さんがデザインを担当します。この新しいブランドは、海洋プラスチックを細かく粉砕したものを機械で成型して製品化するという革新的なプロセスを経ております。2020年1月にはクラウドファンディングを実施し、その資金を元に成型機の金型調達などに活用する予定です。
特に注目すべきは、神奈川県湘南地区の海岸に散乱するプラスチックごみを使用するという点です。大サイズの小物入れ1個につき、約100gのプラスチックごみが必要とされるため、この地域からの回収が鍵を握ることになります。日本はアジアからの漂着物が特に目立っており、その量は世界的にも多いとされています。このように、地域の環境問題を解決する一助として、また国民の意識向上にも寄与するプロジェクトとして注目されています。
環境問題への意識向上
プラスチックは軽量かつ強度があり、加工が容易な素材である一方で、分解には長い時間を要します。このため、海洋に入り込むと生態系に大きな影響を与えることになります。今年、開催されたG20首脳会議では、2050年までに廃プラスチックによる海洋汚染をゼロにするという目標が設定され、国際社会での関心はより高まっています。
企業としても、プラスチックの再利用は急務となっており、アメリカの大手企業も次々と取り組みを始めています。P&Gは日本の海岸で集めたプラスチックごみを25%ほど容器として使用する方針を立て、多くの支持を得ています。また、HPはハイチで集めたごみをインクカートリッジの材料として活用するなど、再利用の動きは広がりを見せています。
課題と展望
しかし再利用が進む中で、高い回収コストなど数々の課題も浮上しています。特に日本国内での取り組みは、これからの発展が期待されます。消費者の意識も高まりつつある中で、テクノラボのプロジェクトはその良い例となるでしょう。
最終的には、海洋プラスチックごみを資源として捉え、未来に向けた持続可能な社会を築くための足掛かりとなることを期待しています。今後の展開にもぜひ注目していただきたいです。
詳しい情報については、
こちらをご覧ください。