TXOneが日本市場に参入
2022-08-09 14:00:01
TXOne Networksが日本市場に本格展開、オペレーション継続を支援するサイバーセキュリティを提供
TXOne Networksが日本市場に本格参入
台湾のITセキュリティ企業、TXOne Networksは、渋谷に日本法人を設立し、産業制御システム向けに多層防御型のサイバーセキュリティソリューションを本格展開すると発表しました。この発表は、同社の初の記者説明会で行われ、日本市場での今後のビジョンを明らかにしました。
サイバー攻撃の脅威とその背景
現在、サイバー攻撃はITシステムだけでなく、OT(Operational Technology)環境に対しても広がってきています。トレンドマイクロの調査によれば、日本の製造業の91.3%がOTシステムの中断を経験しており、そのうちの40%が4日以上の中断を余儀なくされているとのこと。これにより、98.2%の組織が事業活動に影響を受け、その平均被害額は約2億6906万円に達することが分かりました。
OTとITの統合
最近では、IoT技術の普及により、従来は完全に切り離されていたITとOTが統合されつつあります。この状況は、OTシステムが新たなサイバー脅威にさらされる原因となっています。文化や運用の違いから、OTにITのセキュリティを適用することも容易ではありません。このため、経済産業省は「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策」のガイドラインを発表し、産業界全体でセキュリティ対策の強化が求められています。
TXOneの提供するソリューション
TXOne Networksは「Keep the Operation Running」を掲げ、情報セキュリティのリーディングカンパニーであるトレンドマイクロと、OTネットワーク製品のリーディングカンパニーであるMoxaと共同で、産業制御システムを守るためのサイバーセキュリティソリューションを開発しました。具体的な製品としては、次世代ファイアウォール「EdgeFire」、侵入防止システム「EdgeIPS」、エンドポイントプロテクション「StellarProtect」などを提供しています。
セキュリティ調査研究の強化
TXOneは、トレンドマイクロが運用する「ZERO DAY INITIATIVE(ZDI)」を通じ、多くの脆弱性を未然に防ぐ取り組みを行っており、その76%の脆弱性を発見しています。また、350以上のOTシステムを模したハニーポットを設置し、攻撃手法の観察にも努めています。こうした情報は、TXOneの製品開発に迅速にフィードバックされます。
日本市場での戦略
TXOne Japanは、以下の戦略を掲げて日本市場への本格参入を進めています:
1. ダイレクトセールスの強化 - 半導体製造業や重要インフラ企業への直接販売を強化。
2. パートナーエコシステムの確立 - トレンドマイクロと連携し、パートナー企業との協業を促進。
3. 安全なサプライチェーンの実現 - 日本の製造業を保護し、安全なサプライチェーンの構築に貢献。
TXOneのCEO、テレンス・リュウ氏は「日本の製造業が直面する多様なセキュリティ課題を解決するためのソリューションを提供し、日本の産業界と共に成長したい」と述べています。
まとめ
TXOne Networksは、日本市場における新たな挑戦を通じて、産業界のサイバーセキュリティの向上に貢献する意向を示しています。OTゼロトラストの概念に基づき、多層的な防御で製造業を守る取り組みに注目です。
会社情報
- 会社名
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TXOne Networks Japan合同会社
- 住所
- 渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿 16階
- 電話番号
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