日本エコマークとシンガポール環境ラベルの相互認証
公益財団法人日本環境協会が運営する「エコマーク」と、シンガポール環境協議会の「シンガポールグリーンラベル(SGL)」が相互認証を始めることになりました。この合意は、最近開催されたCOP29のシンガポールパビリオンにて、環境省の松澤裕地球環境審議官とシンガポール持続可能性・環境省のスタンレー・ロー事務次官の立会いの下で締結されました。
この新たな相互認証により、日本でエコマークを取得している「ビニル系床材」や「タイルカーペット」をシンガポールで申請する際、通常必要とされるSEC側の審査が不要になります。これは、環境ラベル申請のプロセスを大幅に簡素化し、申請者の負担を軽減するものです。
ASEAN市場への期待
シンガポールはASEAN地域における重要な貿易ハブであり、SGLの認定を受けた企業の51%がシンガポール以外のASEAN地域の企業で、さらに認定製品の70%以上が建材関連製品であることから、相互認証の導入は日本企業にとって新たなビジネスチャンスを提供するでしょう。これにより、日本からASEAN地域への環境配慮型製品の流通が促進されることが期待されています。
相互認証の意義と展望
相互認証協定(Mutual Recognition Agreement: MRA)は、対象国の環境ラベルの審査過程を簡略化するものであり、企業は共通基準に関する合意に基づき、審査の一部を自国の機関で実施できます。この取り組みにより、事業者の開発や製造コストが削減され、環境ラベルの申請手続きが容易になります。
それによって、海外市場への参入も容易になり、環境ラベル認定商品が国際的に取引されることで、環境への影響を低減することが見込まれます。この相互認証は、すでに日本のエコマークが世界の11機関と結んでいる協定の新たな一環であり、日本の環境保護活動の国際的な評価を高めるものと言えます。
環境保護と持続可能な社会の実現
エコマークは、国際基準であるISO14024に基づいて運営されており、環境に優しい企業や製品に対して付与されます。消費者が環境に配慮した選択を行うことを促進し、企業がエコマーク取得を通じて使用にあたる環境改善を進め、持続可能な社会の形成を目指しています。この相互認証の実施で、日本のエコマークが新たな価値を国際的に築くことができるか、注目が集まります。
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