養豚事業へのAI導入
株式会社ナレッジコミュニケーション(東京都江東区本社、代表取締役奥沢 明)とグローバルピッグファーム株式会社(群馬県渋川市、代表取締役会長兼社長赤地 勝美)は、最新のAI技術を用いた養豚業務の出荷予測システムを導入したことを発表しました。このプロジェクトは、マイクロソフトの「Azure Machine Learning」に基づいており、データドリブンなアプローチで養豚事業の効率化を図るものです。
概要と背景
グローバルピッグファームは、自社ブランド「和豚もちぶた」の飼育と出荷を行っている養豚事業者です。近年、畜産業界では牛に対するAI出荷予測が増えている一方で、豚ではコストを抑えつつ効果的なシステム導入が難しい状況が続いていました。これまでのところ、業務は経験則に基づく予測が主流であり、効率性が求められるものの、変革が進んでいませんでした。
そこで、クラウド型機械学習「Azure Machine Learning」を導入することが決定されました。ナレッジコミュニケーションは、過去10年間の出荷データを分析し、出荷予測の精度向上に向けた基盤を整えました。
導入のプロセス
プロジェクトでは、出荷データと外部の気象データなどを分析し、機械学習モデルを構築しました。これをAPI化し、GPFの既存システムへ統合する形で構築が進められました。以下は、主な導入のポイントです:
1.
コスト効果: Azure Machine Learningを利用することで、他のAIシステムと比較して数分の1のコストでサービス利用が可能です。
2.
迅速な仮説検証: 多様なアルゴリズムが提供されており、仮説検証を最短で実現できます。
3.
クラウドの利点: クラウドのリソースを活用するため、運用資源の不足を気にせずに利用できる点も特長です。
4.
API統合の柔軟性: API化機能により、迅速に既存システムへの組み込みが行えます。
実施した結果
この新しいシステムを導入した結果、除去されていた属人化された出荷業務がシステム化され、出荷予測は最短で1週間の精度が実現しました。また、過去のデータから新たな関連性を見出すことも可能となり、農場ごとのデータ可視化に成功しました。
さらに、PoC(Proof of Concept)段階でのモデル作成やデータ加工は約3ヶ月で完成しました。すでに1か月半でAPI連携機能を実装し、持続可能な効率化を目指しています。
未来への展望
将来的には、IoT技術を活用した温度管理の実現に向けた取り組みも進めていく予定です。養豚場の環境データをリアルタイムに収集し、空調や出荷予測と連動したシステムの構築を目指します。
マイクロソフトからのエンドースメント
日本マイクロソフト株式会社もこのプロジェクトを強力に支持しており、養豚業界のデジタル化が進むことに期待を寄せています。AIとIoTの融合が、養豚業務の新たな未来を切り開く鍵となるでしょう。
企業概要
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所在地: 群馬県渋川市北橘町上箱田800
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設立: 1983年6月
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事業内容: 肉豚および種豚の出荷計画と販売、農場コンサルティング
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所在地: 東京都江東区東陽3-14-3東陽ビル4F
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設立: 2008年11月
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事業内容: クラウド導入支援、運用サポート
以上が、グローバルピッグファームによる新たな挑戦の詳細です。今後の動向から目が離せません。