QPS-SAR 15号機『スクナミ-Ⅰ』初交信成功
2025年12月21日、日本時間の午後3時36分、ニュージーランドのマヒア半島からロケット・ラボ社のElectronロケットによって、小型SAR衛星であるQPS-SAR15号機『スクナミ-Ⅰ』が打ち上げられました。このミッションは「The Wisdom God Guides(智慧の神が導く)」の名のもとに行われ、打ち上げから約50分後に衛星から分離が成し遂げられました。さらに、なんと分離後わずか6分で初交信にも成功し、衛星の各機器の正常作動が確認されるという快挙が実現しました。
初交信の喜び
この度の成功を受けて、QPS研究所の代表取締役社長CEOである大西俊輔氏は、安堵と喜びを表明しました。「2025年の締めくくりとして、15号機『スクナミ-Ⅰ』が予定通りの打ち上げと初交信を果たしたことに、深い安堵と喜びを感じています」と語り、これはエンジニアチームが誇るべき成果であると強調しました。
QPS研究所は、今年に入ってこれまでで最多の6機の打ち上げを成功に導いており、大西氏はその背景にあるエンジニアの技術と情熱を称賛しました。また、2026年以降もさらなる拡張や高価値の創出を目指し、九州から新しい未来を築くことに力を注ぐ意向を示しました。
ロケット・ラボCEOの評価
打ち上げを手掛けたRocket Lab社のPeter Beck CEOも、この成功を祝福しました。「QPS研究所のコンステレーション構築における今回のミッション成功、おめでとうございます。また、Rocket Labチームが今年もElectronで過去最高の打ち上げ回数を更新したという事実も、高く評価されるべきです」と述べています。これにより、Electronは高頻度・高信頼性の打上げを実現し、アメリカの小型ロケット市場での競争力をさらに高めています。
QPS-SARプロジェクトの重要性
QPS研究所は、今後も24機から36機におよぶ人工衛星のコンステレーションを展開し、準リアルタイムでのデータ提供を目指しています。特に、QPS-SARシリーズの特許取得済みの大型展開式アンテナにより、他のSAR衛星と比べて格段に優れた性能と低コストを実現しました。これにより、46cmの高精細画像を取得することができ、国際的な競争力を持つ民間ETの一端を担っています。
九州からの宇宙産業の発展
QPS研究所は2005年に福岡で創業し、九州宇宙産業の発展を見据えた企業として成長を続けています。代表者は、「宇宙産業は未来の産業である」とし、九州から日本や世界へ向けた宇宙開発のパイオニアとしての役割を果たす決意を示しました。今後の進展が期待される『スクナミ-Ⅰ』とQPS-SARの動向に、多くの目が向けられることでしょう。