渋谷のゴミ問題をボードゲームのアイデアに変える
東京都渋谷区は若者の文化発信地ですが、その反面、深刻な「ゴミ問題」に直面しています。この問題に取り組むべく、城西国際大学メディア学部の学生たちが注目したのは、ハロウィンなどのイベントで一晩に約3.6トンものゴミが出るという事実です。このデータに基づき、学生たちは自発的な解決意識を促すため、ボードゲームを製作することを決心しました。
この取り組みは、学生の学びをサポートする「学修研究活動助成事業」の助成を受けて実施されています。プロジェクトは2025年4月に始まり、最初のステップとして学生たちは実際に渋谷センター街へ足を運び、一般社団法人渋谷未来デザインが推進する渋谷グッドマナープロジェクトに参加。約1時間でゴミ拾いを行い、その現状を肌で感じることに努めました。
続いて、6月から7月にかけて学生たちは14件の企画案を検討し、最終的には5つの案に絞り込み、ボードゲームの開発に取り掛かります。その成果を披露する場として、10月30日にはSOCIAL INNOVATION WEEK 2025でテストプレイ会が設けられました。ここでは、参加者からのフィードバックを基にさらなる改良が行われました。さらに、11月7日・8日には本学の大学祭「3J festival」でも、来場者を対象にしたテストプレイが行われました。これにより、約100名もの人々が新たなゲームを体験し、意見を述べる機会が設けられました。
ボードゲームの正式なお披露目は、2025年1月22日に東京紀尾井町キャンパスで行われた完成披露会にて行われ、ここでは星野准教授が取り組みの趣旨を紹介。彼は「エンタテインメント理論」と「ゲーミフィケーション」の知識を活用して、ゲーム制作に取り組んだ理由を説明しました。また、協力を得た一般社団法人渋谷未来デザインの長田理事からは、本プロジェクトの意義が称賛され、コミュニケーションのきっかけとしての活用が期待されているという言葉もありました。
特に、学生たちが抱いた思いを代表して、メディア学部の3年生小田川楽空さんが次のように語りました。「このプロジェクトを通じて、ゲームを楽しむだけではなく、自分たちの住む街について深く考える機会を得ました。実際に現場でゴミを拾い、人がなぜゴミを捨てるのかを真剣に考えることができました。」
ボードゲームの紹介
ポイッとカルタ
『ポイッとカルタ』は、渋谷区のゴミ問題をテーマにしたカルタ風クイズゲームです。前半では問題札を読み上げ、その内容に該当する答え札を素早く取るルールになっています。後半では、答え札を手がかりに問題の内容を推測する形になります。このように、異なる視点からゴミ問題に向き合うことができる設計が特徴です。
ポイ捨ての恐怖(The Fear of Littering)
もう一つの作品『ポイ捨ての恐怖』は、渋谷区のゴミ分別ルールに基づく神経衰弱をベースとしたカードゲームです。プレイヤーはゴミカードをめくり、正しく分別を行います。特殊カードである「ポイ捨て人間」カードを引くことで、ゲームが進行しますが、間違えると山札からゴミカードが増えていくという緊迫感ある展開が見どころです。
このプロジェクトを通じ、学生たちはただのゲーム制作を超え、渋谷のゴミ問題について深く考える重要な経験を得たのです。今後は、製品化したこれらのボードゲームが「Board Game Japan」のコンペティションにも出展予定で、さらなる広がりを期待しています。