2024年9月17日、金沢工業大学の学生たちによるジェットエンジン搭載の固定翼型ドローン「KIT-JET」の飛行試験が、三重県伊賀市にある木津フライングクラブで実施されました。この試験は、航空システム工学科の赤坂剛史准教授の指導のもと、大学院生と学部生の計15名が参加したプロジェクトの一環として行われました。
「KIT-JET」は、その独自の設計と構成から全国的に見ても非常に珍しい固定翼型ドローンです。特に、先尾翼という難易度の高い構造を採用している点が特徴で、技術的にも挑戦が詰まった機体です。このドローンは全長2.2m、翼幅2m、重量は約10kgと、比較的大型のドローンに分類されますが、エンジン以外の機体部分や自律飛行を可能にするソフトウェアはすべて学生たちによって製作されました。
■試験のスケジュールと内容
試験当日は、午前9時に木津フライングクラブに到着し、午前9時30分から飛行試験が開始されました。初めに行われたのは、ラジコン操縦による飛行で、外部講師の田原将史氏(JETSET)によって操縦されました。この段階では、試験機の動作や性能を確認するための飛行が行われました。
午前12時には昼食を挟み、午後1時からは自律飛行の試験が開始されました。自律飛行試験では、まず手動操作による離陸が行われ、その後、上空で自律操縦に切り替えました。目標地点への飛行が確認された後、最後は手動での着陸が行われました。この一連の流れを通じて、新しいエンジンの飛行特性を見極める貴重なデータを取得することができました。
■未来に向けた取り組み
航空システム工学科の学生たちは、今回の試験を通じて実践的なスキルや知識を大いに深めることができ、今後の研究やプロジェクトに対する自信をつけることができました。さらに、このプロジェクトは次世代の航空技術の発展に寄与することを目指しており、今後もさまざまな飛行試験が計画されています。金沢工業大学は、今後も学生たちが実践的な技術を学べる環境を提供し続ける意向を示しています。
このような試みが、学生たちの創造性や技術的な挑戦を奨励し、航空業界に新たな風を吹き込むことを期待しています。今後の「KIT-JET」にも注目が集まることでしょう。