Z世代のお金事情:食費から投資まで、彼らの価値観と消費行動を探る
「Z世代」と呼ばれる1995年から2010年生まれの世代は、新しい文化や消費を牽引する存在として注目されています。彼らの価値観や生活実態は、SNSなどで脚色された情報に偏りがちで、真の姿を見極めるのは難しいと言われています。
日本インフォメーション株式会社は、独自の調査を通してZ世代の深いインサイトに迫り、彼らの価値観や行動を多角的に分析しました。特に今回は、Z世代のお金に対する考え方と行動に着目し、興味深い結果を得ています。
食費への高い意欲と選択的な節約
調査によると、Z世代は「食費(外食以外)」と「外食費」に最も多くのお金を使いたいと考えていることが分かりました。食に対する意欲の高さは明らかですが、同時に節約意識も持ち合わせています。特に、親密ではない相手との交際費や、お酒代、飲み物代などは節約対象として捉えているようです。
一方で、自分の好きなもの、例えば「推し活・オタ活」や美容関連には積極的に投資する傾向が見られます。Z世代は、自分にとって価値のあるものにはお金を使うことをいとわない、合理的な考え方を持っていると言えるでしょう。
サブスク利用は大学生がピーク、自己研鑽意欲も旺盛
現代社会では欠かせない存在となったサブスクリプションサービス。Z世代の利用状況を調べたところ、大学生が最も利用率が高いことが分かりました。これは、学割制度を活用できることが大きな要因と考えられます。
社会人になると、収入が増えることでサブスクの選択肢は広がるように思えますが、利用率は逆に低下する傾向が見られます。これは、学生時代に親から学習費や英会話費用を負担してもらっていた状況や、学割が適用されない状況などが影響している可能性があります。
興味深いのは、Z世代は「スポーツ・ジム」「学習」「オンライン英会話」などの自己研鑽に役立つサブスクに強い関心を示していることです。これは、将来への不安や自己成長への意欲の高さを示唆していると言えるでしょう。
投資への関心の高まりと課題
Z世代の投資に対する意識は、世代全体の約3割が興味を持っている一方で、不安も抱いているという結果になりました。特に女性は、男性と比べて不安感を強く感じているようです。
一方で、男性は不安を感じながらも実際に投資行動を行っている割合が高いという結果が出ています。これは、男性の方が積極的に情報収集を行い、リスクに対する理解度が高い可能性が考えられます。
調査結果からは、Z世代は投資に関心を持ち始めていますが、まだ十分に理解が進んでいないという現状がわかります。特に、投資のメリットやリスク、具体的な方法について、より深い知識を身につける必要があるでしょう。
貯蓄・投資・節税対策:男女の意識の違い
Z世代の貯蓄や投資、節税対策の実施状況は、男女で大きな違いが見られます。女性は男性と比べて普通預金の実施率が高く、堅実的な傾向が見られます。一方、男性は「株式投資」や「投資信託」などの投資を実施している割合が高く、リスクを積極的に取る傾向が見られます。
貯蓄や投資、節税対策を行う理由も男女で異なります。男性は、自身のキャリアアップや早期リタイアなど、将来の経済的な自立を重視する傾向が見られます。一方、女性は老後の生活費や家族、子どものために貯蓄や投資を行う傾向が見られます。
消費活動も自分らしく:好きなものに集中し、コスパの悪いものは排除
Z世代は、自分にとって価値のあるものにはお金を惜しまず、そうでないものには徹底的に節約するという、合理的な消費行動をとることが特徴です。これは、彼らの「自分らしく生きる」という価値観が、消費活動にも反映されていることを示しています。
今回の調査では、投資の実施率は2割にとどまりましたが、新NISAの開始や金融教育の普及によって、Z世代の投資への関心が今後どのように変化していくのか、注目すべき点です。
Z世代の動向をウォッチし続ける
日本インフォメーション株式会社は、今後もZ世代の価値観や行動をテーマ別に調査し、変化の激しい彼らの動向を継続的にウォッチしていきます。詳細な調査結果資料は、同社のウェブサイトから無料で入手可能です。