就活時のセクハラ問題、主婦層が語る実態と求められる対策
近年、企業の採用活動におけるセクシュアルハラスメント(セクハラ)の問題がクローズアップされています。特に、主婦層を中心とした女性の就労意識の高まりと並行して、就活時のセクハラ被害の実態が懸念されています。
株式会社ビースタイルが運営する『しゅふJOB総研』は、この問題について889件の有効回答をもとにした調査を実施、その結果を発表しました。この調査からは、就職活動時にセクハラの被害を受けたとの回答が14.0%に上ったことが明らかになりました。
調査結果概観
1.
就活時のセクハラ被害率は14.0%
調査によると、セクハラ被害経験があると回答した人は14.0%で、新卒採用時に被害に遭ったという回答が3.6%、中途採用時では6.7%となっています。また、新卒と中途の両方で体験した人も3.7%に上り、いずれかの段階での被害者は14.0%に達しました。
2.
年代別の被害経験
年代別に見てみると、30代以下は14.0%、40代は15.0%、50代は15.2%とほぼ横ばいの状態が続いており、セクハラ被害は若い世代に限らず、幅広い年代に存在していることがわかります。一方で、60代以上の被害者は8.1%と少ないものの、「わからない」との回答は13.6%に上りました。このことは、世代によってセクハラの認識や表現が異なる可能性を示しています。
3.
セクハラ防止措置の義務化に94.6%が賛成
驚くべきことに、求職者へのセクハラ防止措置の義務化に対して94.6%が賛成の意を示しました。多くのアンケート回答者が、被害経験から自らの声を上げており、対策の必要性を強く訴えています。実際、フリーコメントには切実な体験が寄せられ、多くの女性が職場におけるセクハラの問題を真剣に受け止めています。
フリーコメントからの声
調査のフリーコメントには、就活や職場の現状に対するさまざまな意見が寄せられています。例えば、ある50代の契約社員は「企業内教育が重要だと思う」と述べ、また別の40代のパート・アルバイトの回答者は「もう我慢したくない」と訴えています。
さらに、60代のフリー、自営業の女性は「今の時代、SNSで拡散されるからこそ、企業はセクハラを避けるべき」との見解を示し、被害者保護の必要性を強調しています。
中には、具体的なセクハラのケースを挙げ、就活の場でのセクハラに遭った経験を語る人もいました。「面接中に男性面接官からの不適切な発言があった」といったエピソードもあり、実際の被害経験が数多く見受けられました。
社会全体の課題として捉えるべき
今回の調査結果は、セクハラが単なる個別の問題ではなく、社会全体で解決すべき課題であることを示唆しています。働きやすい環境を作り上げるためには、企業側の対応はもちろん、法整備や意識向上に向けた取り組みが必要不可欠です。
今回の調査結果を受けて、しゅふJOB総研の研究顧問である川上敬太郎氏は「企業がセクハラを許さない文化を醸成し、求職者が安心して就職活動を行えるような環境作りが求められている」とコメントしています。
未来の働き方を考える
これからの社会において、就活セクハラ問題を解決し、よりよい働き方や環境を実現することは、女性に限らず全ての求職者にとって重要なテーマです。この問題についての関心は高まっており、今後も継続的に調査や公開を進める必要があるでしょう。