名古屋市、外国人向けの多言語対応科学館プロジェクト発表
名古屋市では、新たに外国人観光客も楽しむことができる多言語対応の科学館を目指すプロジェクトが始動しました。この取り組みは、『Hatch Technology Nagoya(ハッチテクノロジー名古屋)』として知られる実証実験の一環で、様々な企業との協働によって実現を目指します。このプロジェクトに選ばれた8つの企業は、名古屋市が抱える課題に対して技術的な解決策を提示し、その実現を図ります。
Hatch Technology Nagoya とは
Hatch Technology Nagoyaは、アーバン・イノベーション・ジャパン(UIJ)が主導する取り組みで、スタートアップ企業と自治体が協力して社会課題を解決するためのプラットフォームです。UIJは神戸市から生まれたプログラムで、これまでに全国の自治体と連携してきました。このプロジェクトは、2020年から続く名古屋市との連携で、毎年新たなテーマに挑戦しています。
プロジェクトの目的と内容
名古屋市が進行中のこのプロジェクトには、特に外国人観光客への配慮が含まれています。多言語対応の実現に向け、自動翻訳やAIを活用した展示コンテンツの整備が進められます。これにより、様々な国籍の訪問者が科学館での「見る」「触れる」「確かめる」といった体験をより深く楽しむことができるようになります。観光客の交流や理解を深めることもこのプロジェクトの重要な目的の一つです。
採択企業とプロジェクト概要
名古屋市に採択された企業の中には、外部との連携を通じて科学館に関連した技術を提供する企業が含まれています。以下に、主なプロジェクトとその内容を紹介します:
1.
Zero To Infinity 株式会社 - 職員のメンタルヘルスを可視化し、ストレス状態を把握する技術を導入。
2.
株式会社Solafune - 衛星データやAIを用いた違法な盛土の早期発見を目指します。
3.
株式会社スマートシティ技術研究所 - 道路点検を効率化し、交通事故ゼロを目指すプロジェクト。
4.
株式会社Algomatic - 多言語対応を実現するための解決策を提供し、科学館内の体験を向上させます。
他にも、環境に優しい運航を目指すクルーズ船の導入や、ポートメッセ名古屋での混雑緩和を図る取り組みも進行中です。
今後の展望
名古屋市のこのプロジェクトは、2024年の夏から2025年の冬にかけて展開され、成果報告がまとめられる予定です。多様な企業との連携を通じて、名古屋市が持つ課題を解決するだけでなく、地域の発展にも寄与することが期待されています。また、名古屋市科学館の新たな取り組みが、観光客にとっての魅力を一層高める要因となるでしょう。
このような都市の取り組みは、全国に広がるオープンイノベーションの重要性を示しており、ますます多様化する社会において、地域に根ざした解決策の重要性が増しています。