AIと人の協力で拡充するSNS相談窓口の新たな支援策
近年、自殺問題が社会で重要なテーマとなるなか、特定非営利活動法人 自殺対策支援センター ライフリンクは、相談窓口「生きづらびっと」を運営しています。ここでの相談件数は、毎月約1万人に達し、その数は年々増加していますが、相談対応率はわずか40%から50%にとどまっているのが現状です。このような課題を解消するため、株式会社PKSHA Technology(パークシャ・テクノロジー)がこのたび、同法人に技術支援を開始しました。
SNS相談窓口とPKSHAの連携
PKSHAはその製品「PKSHA FAQ(パークシャ エフエーキュー)」を通じて、NPO法人ライフリンクが運営するSNS相談窓口のメンテナンスシステムを提供します。このシステムを活用することで、相談者が抱える多様な悩みに対し、具体的なヒントをAIが自動生成し、Q&A形式での情報提供が行われる仕組みです。この新しいFAQページ「LIFEヒント」は、2025年9月16日より公開予定で、ライフリンクの「生きづらびっと」からもアクセスできるようになります。
自殺問題を解決するための背景
自殺者の数は減少傾向にあるものの、いまだ年間に2万人を超える人々が命を絶っています。特に、2024年には小中高生の自殺者数が過去最多の529人となり、深刻な課題となっています。この背景には、SNSを通じた相談窓口の需要の高まりがあります。「生きづらびっと」でも同じく、日々増加する相談に人力で対応するのは困難であり、支援を必要とする人たちに必要な情報を届けるためにAIの活用が求められていました。
PKSHA FAQの導入内容
今回導入される「PKSHA FAQ」では、これまで寄せられた多数の相談ログから得られた情報を基に、自動的にFAQを拡充・更新します。具体的には、いじめや仕事の不安など、多岐にわたる悩みに対し、どのように受け止めるか、対処方法についてヒントを提供します。月間3000-4000件の相談ログからAIが生成した回答を参考に、ユーザーは自分の抱えている問題に近いカテゴリーを選び、さらに具体的な内容を見つけることができるのです。
安全性への配慮
このシステムでは、個人情報の保護を最優先し、利用するデータは加工されており、個人を特定できないよう配慮されています。また、AIが作成したFAQは、ライフリンクの職員によって精査され、正確な情報が提供される体制が整っています。これにより、利用者は安心してAIの助けを借りることができます。
今後の展望
この新たな取り組みを通じ、PKSHAとライフリンクは協力して、今後もAIを活用した多面的な支援体制の構築を進めていく予定です。人との対話だけでは満たせない情報ニーズに応えることで、さまざまなしんどい気持ちを抱える人々の選択肢を拡大していきます。最終的には、人による支援が何より大切であるとの信念を持ちながら、AI技術がもたらす新しい可能性を追求していく方針です。
PKSHAは、未来の社会課題を解決するため、さらなる技術革新を目指し続けます。
FAQs
- - FAQ: よくある質問と回答(Frequently Asked Questionsの略称)
- - 業界情報: PKSHAによる企業の情報管理システム
この取り組みの詳細については、以下のリンクもご覧ください。
LIFEヒント
PKSHA Technology
ライフリンク