AIを駆使した放射線治療支援ソフト、最優秀賞を受賞したアイラトの挑戦
アイラト株式会社が2025年12月12日に開催された「MITANI Business Contest 2025」で、最優秀賞を受賞したことをお知らせします。同社は、宮城県仙台市に本社を構え、AI技術を活用した放射線治療計画支援ソフトウェアの開発を行っています。この受賞は、AIの力を使い、医療現場での治療プロセスを効率化する新たな取り組みを示すものです。
アイラトの放射線治療計画支援サービス
アイラトが開発した「AIによる癌放射線治療計画支援サービス」は、従来の手法に比べて、診療放射線技師が治療計画を作成する時間を大幅に短縮し、品質を向上させることを目的としています。特に、強度変調放射線治療(IMRT)において、こうした自動化は治療の精度を高める重要な役割を果たします。
このサービスには、以下のような機能があります:
1.
AIベース自動コンツーリング:CT画像から正常組織の輪郭を自動的に生成することで、高精度な輪郭抽出を実現。
2.
AIベース自動計画技術:腫瘍と正常組織の情報をもとに高品質な治療計画を自動生成し、前立腺癌、頭頚部癌、肺癌、子宮頸癌など、様々な癌に対応可能。
3.
AIベース自動安全性検証技術:作成した治療計画の安全性を検証し、計画の複雑度やガンマパス率を評価します。
これらの機能により、医療従事者は治療計画作成にかかる時間を大幅に短縮でき、結果的には高品質な放射線治療をより多くの患者に提供できるようになります。
MITANI Business Contestについて
このコンテストは、全国のスタートアップ企業などから、地域経済の活性化や地域課題の解決につながるビジネスプランを募り、優れたプランには北陸地域の企業とのマッチングやスポンサーシップ支援が行われるイベントです。主催は三谷産業株式会社で、各参加者には新たなビジネスの展開に向けたサポートが提供されます。
今後の展望
アイラトは、今後の展開として以下の二点を挙げています:
- - 事業化と地域連携の加速:特典として受賞企業に与えられる企業とのアライアンスやビジネスマッチングの機会を活用し、北陸エリアでのサービスの社会実装を推進します。
- - 医療機器承認に向けた開発:現在、プロトタイプが完成し、さまざまな治療施設での検証を行っています。2026年度中には正式にリリースする予定です。
このように、アイラトの活動は、AIを用いた放射線治療の新たな可能性を切り拓くものであり、地域医療への貢献が期待されます。加えて、技術開発も進められ、より多くの癌や照射技法に対応できるよう改善が続けられています。アイラトがもたらす未来を楽しみにしましょう。
【会社情報】
- - 社名:アイラト株式会社
- - 本社:宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1
- - 代表取締役:木村祐利、角谷倫之
- - 設立:2022年3月
- - URL:アイラト公式サイト