食肉卸業の効率化:RPAの導入事例
日本の食肉卸業界で注目の成功事例が、有限会社肉のクボタによるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入です。この取り組みは、受注業務の効率化を目指すもので、業務プロセスの見直しとデジタル化を実現しました。特に、ユーザックシステム株式会社が提供する「Robo派遣」サービスを活用することで、業務時間の大幅な削減を達成しています。
受注業務の現況と課題
肉のクボタは1889年に創業し、東京都立川市を拠点に東京23区を中心とした食肉卸業を展開しています。現在、約800件の取引先から毎日400件以上の注文を受けており、手動での受発注処理が常態化していました。この結果、受注担当者は毎朝4時に出勤する必要があり、早出残業が恒常的に発生していました。このような状況が続くことで、人件費の圧迫や従業員の負担が増加していたのです。
営業部長の迫田氏は、「電話注文対応のための人員確保も課題であり、業務の効率化が急務でした」と語ります。
RPAの導入と効果
肉のクボタは、受注業務の効率化を目指し、「Robo派遣」サービスを導入しました。このサービスは、異なる受発注システムに対応し、業務を自動化するものです。具体的には、発注書の出力を自動で行うために、3種類のシステムを導入し、それぞれのシナリオを実行できるように設計されています。これにより、発注書の出力時間が従来の40分から1時間から大幅に短縮されました。
導入にあたっては、大きなトラブルもなく、テスト稼働時の軽微な問題も、エンジニアが迅速に対応したことで、初期の段階からスムーズに運用を始めることができました。
特筆すべきは、受注業務の自動化によって、年間1380時間もの業務時間を削減できたことです。受注担当者の早出勤務が解消され、月に73時間、さらに準備を担当するスタッフも42時間の業務短縮に成功しています。
街の食肉業界に新しい風が
代表取締役の久保田氏は、「Robo派遣サービスは、私たちの業界だけでなく、食品流通全般において有効です。他の業種も同様の悩みを抱えているはずで、特に顧客数が多い業種では、その効果が顕著」です。
この取り組みは、肉のクボタのみならず、同業の企業にも広がる可能性があると考えられています。今後も、RPAを利用した業務プロセスの改善は、食肉業界の未来を変える革新となることでしょう。
まとめ
RPAの導入は、肉のクボタにおいて業務効率化への第一歩を示しました。この成功事例は、同業界全体にとっての指針となり得るものです。業務の自動化が進むことで、肉のクボタのように労働環境の改善にもつながります。これからも、このような革新がもたらすメリットに注目していきたいと思います。