eラーニングの不正受講への懸念と対策が進展する中、その実態とは

eラーニングの不正受講への懸念と対策状況

昨今、企業におけるeラーニングの普及が進む一方で、そこでの不正受講に対する懸念が高まっています。株式会社イー・コミュニケーションズが実施した調査によれば、78.0%の企業担当者が不正受講に対する対策を講じていることが明らかになりました。不正受講を心配する声は約6割に達し、前回調査から2.7ポイント増加しました。

調査結果の概要

昨年の調査結果を踏まえ、今回も100名の人事・総務担当者を対象に調査が行われました。eラーニングにおける不正受講は、企業にとって大きな問題です。結果として、61.6%の担当者は、過去1年間に不正受講が「発生した」または「可能性がある」と回答しています。具体的な不正手口としては、最も多く挙げられたのが「他人に受講を代行させる」で58.9%となり、続いて「複数人で解答を見せ合う」が48.2%、さらに「席を外して動画を流しっぱなしにする」が42.9%でした。

各企業の対策状況

不正受講に対抗するために、55.0%の企業が何らかの対策を行っているとのことです。具体的には、受講ログの定期的なチェックが63.6%で最も多く、次いで読み飛ばし防止機能の導入や受講内容の理解度を確認するためのテストが続きます。このように、対策を講じている企業は、絶えず不正受講への懸念を払拭するために尽力しています。

特筆すべきは、8割以上の担当者が現行の対策が「効果あり」と感じている点です。しかし、依然として71.0%が更なる対策強化が必要だと感じています。これは、効果的な対策方法が分からない（47.0%）という声が多く上がっていることからも伺えます。これに対して、AIを活用した監視ソリューションへの関心も高まっており、68.0%が興味を示しています。

不正受講問題の根深さ

不正受講は、教育効果の薄れや無駄な教育コストの発生へとつながり、組織内部の信頼性を揺るがす要因となります。これに対して企業は、重視している教育制度が一部の人々によって無駄になってしまうことを危惧しているのです。また、不正受講が引き起こす問題として多く挙げられたのは、受講効果が薄れること（42.0%）や教育コストの無駄（40.0%）でした。

AI監視ソリューションの検討

特に注目されるのは、様々な企業が導入を検討しているAI監視ソリューションです。このシステムは、受講者をリアルタイムで監視し、不正行為を検出する役割を果たします。企業側がこのようなシステムへの導入を急ぐ理由は、不正のリスクを低減しつつ、教育の質を守るためです。

まとめ

調査からは、eラーニングの不正受講が企業の人事・総務担当者にとって依然として大きな懸念材料であり、企業は対策を強化する必要性を感じていることが浮き彫りとなりました。今後、ますます進化するAI技術が、不正受講対策にどのように寄与するか注目が集まります。こうした情勢を踏まえ、各企業が持つ教育制度の信頼性を強化し、効果的な人材育成に取り組むことが求められています。