花村えい子の画業60年を辿る展覧会
2020年12月に惜しまれつつこの世を去った漫画家・花村えい子。その享年91歳という長い生涯は、少女マンガの発展と形づくりに多大な影響を与えました。彼女が手がけた約550点に達する作品は、エンターテインメント性が高く、女性たちの多様な感情や葛藤をリアルに描写したもので、多くのファンを惹きつけました。
このたび、川越市立美術館で開催される展覧会「画業60年のかわいい伝説 花村えい子と漫画」では、彼女の作品の数々とその人生に迫る展示が行われます。会場はカラフルで“カワイイ”デザインが施され、訪れる人々を温かく迎え入れます。
会場の見どころ
原画展示
約140点の原画は、制作年代に基づいて6つの章に分かれて展示されます。少女たちの繊細な感情やありふれた日常、さらには妖艶な女性像まで、多岐にわたる広がりを持った表現が一堂に会し、時代とともに変化した女性像を堪能することができます。作品を通じて、花村が描いてきた女性たちの生き様を感じ取りましょう。
ミニシアターでの特別上映
会場内では、花村えい子へのインタビューを基にした映像が上映されます。約20分間のインタビューでは、彼女自身の言葉を通じて、作品制作の裏側や当時の環境についての貴重な情報が語られます。また、アシスタントとの座談会も交えた楽しい話も展開され、観客を飽きさせません。さらに、1971年に掲載された「ふたりのふうせん」が“モーションコミック”として生まれ変わり、新たな視点から体験できます。
貴重な資料展示
当時の貸本漫画や雑誌の掲載誌、少女イラストを使った文房具など、当時の子供たちが楽しんでいた作品や商品も展示され、花村の感性が垣間見えるコレクションとなっています。特に、紙製の着せ替え原画は、当時の人気を物語ります。
漫画家たちとの交流
ちばてつややさいとうたかをといった知名度の高い漫画家たちからのメッセージや、花村への直筆手紙も展示され、世代を超えた漫画家たちの友情が感じられます。
誰もが楽しめる展示
大型のBOOK型什器やぬり絵コーナーなど、展示会場には家族連れやファンが楽しめるスペースが用意されています。カラフルで遊び心あふれる空間は、年齢を問わず誰でも楽しむことのできるもので、花村えい子の作品の魅力を体感できます。
開催概要
- - 展覧会名: 画業60年のかわいい伝説 花村えい子と漫画
- - 会場: 川越市立美術館 公式サイト
- - 会期: 2021年8月7日(土)〜9月12日(日)
- - 休館日: 毎週月曜日(8/9は開館)
- - 時間: 9:00〜17:00(入場は16:30まで)
- - 入場料: 一般600円、大学生・高校生300円、中学生以下無料
- - 主催者: 川越市立美術館、花村えい子画業60周年記念巡回展実行委員会
花村えい子の作品と人生の側面を深く知るチャンスをお見逃しなく。彼女の持つ「かわいい」文化の影響力を再確認できる貴重な体験が待っています。是非、川越市立美術館を訪れて、彼女の魅力に触れてみてください。