衛星画像が描く海と地球の色
イノベーティブな取り組みである「SATELLITE CRAYON PROJECT」が、2025年6月にフランス・ニースで予定されている第3回国連海洋会議(UNOC3)において公式展示されることが決まりました。これは、スカパーJSATが手掛けるプロジェクトで、衛星画像をもとにした“地球の色”を届けることを目的としています。「海のクレヨン」と名づけられたこのプロジェクトは、海洋に対する理解を深めるための教材として選ばれました。
このプロジェクトは、一般来場者も参加できる「Green Zone」に位置する「Beyond Border: Ocean Futures Pavilion」で展示されます。このパビリオンは、PRADAグループとユネスコ政府間海洋学委員会(UNESCO-IOC)による海洋教育プロジェクト「SEA BEYOND」とのコラボレーション活動の一環として行われるもので、海洋リテラシーを育成するためのさまざまな活動が展開されます。
海洋教育の重要性
海洋は地球環境にとって非常に重要な存在ですが、多くの人々がその色合いや生態系についてきちんと理解していない現状があります。スカパーJSATが提供する「海のクレヨン」は、実際に衛星画像から抽出した色を元に作られており、来場者はこれを使って海をテーマにしたアートを制作することができます。これにより、「海って何色?」というシンプルな問いかけから、より深い海の理解を促進する狙いがあります。
さらに、会議期間中に行われる特別ワークショップでは、スカパーJSATの社員が各国の教育関係者に向けて「海のクレヨン」を使った教育方法を実演します。このように、スカパーJSATは海洋リテラシーを高める活動に積極的に関与しており、未来を担う世代に対して持続可能な開発目標(SDGs)に寄与する姿勢を示しています。
コラボレーションの意義
UNESCO-IOCのシニア・プログラム・オフィサーであるフランチェスカ・サントロ氏は、「SATELLITE CRAYON PROJECT」が好奇心と創造性を育む優れた取り組みであると評価しています。科学、文化、体験を融合させることで、子どもたちが自発的に海洋保護に興味を持つきっかけを提供してくれるとのことです。このプロジェクトは、革新的なパートナーシップによって海洋への関心を高め、新しい世代が「青い地球」を守る力をつける重要な要素となることが期待されています。
未来への展望
また、2025年の国連海洋会議は持続可能な開発目標14(SDG14)を達成するための重要な国際会議であり、各国政府や国際機関、市民団体が集まり、海洋に関連する課題を議論します。この会議は、世界の海を守ろうという意識を高めるための強力なプラットフォームとなるでしょう。
Green Zoneの「Ocean Futures Pavilion」では、来場者が参加できるワークショップや展示が行われる予定であり、今後の海洋教育にとって貴重な機会です。スカパーJSATは引き続き、海洋リテラシーを育むための取り組みに積極的に協力していく意向を示しています。
このように、「SATELLITE CRAYON PROJECT」は、地球に対する理解を深め、海洋保護への重要性を広める試みとして、国際的な場でも評価を受けています。未来の世代が抱えるであろう地球環境の課題に対して、自己の意識を高めるためのきっかけとして、このプロジェクトが果たす役割はますます大きなものとなっていくことでしょう。